フィンランドの遠い夏…ヴァルティオブオリ天文台2008年08月20日 06時42分46秒


最近買った絵葉書。

フィンランドのヴァルティオブオリ(?Vartiovuori)天文台。
古都・トゥルク(ヘルシンキの西150キロ、スウェーデン対岸の街)にある古い天文台。後にボン掃天星表をまとめた、フリードリッヒ・ヴィルヘルム・アルゲランダー(1799-1875、http://tinyurl.com/5cryy8)が、若いころ台長を務めたことで知られます。新古典様式の本館は、ドイツ人建築家、カール・ルードヴィッヒ・エンゲルスの作で、1819年竣工。てっぺんの天球儀のモニュメントが目を引きますが、これもやっぱりギリシャ・ローマ風の意匠なんでしょうか。彼は同じ様式で、ヘルシンキ大学天文台や、ロシアのプルコヴォ天文台も手がけています。

この歴史ある建物は、1827年にトゥルクを焼き尽くした大火にも無事で、今も健在です。ただし、天文台の設備と機能は1834年にはヘルシンキへと移り、その後は長いこと航海学校として使用され、現在は博物館になっている由。

上の写真は1920年代頃のホワイトボーダータイプの絵葉書。既に天文台の役割を終えて久しいはずですが、キャプションには依然「天文台 Observatoriet」と書かれています。遠い日の天文台の記憶をとどめた、遠い日の写真。

フィンランドの季節感はよく分かりませんが、空の気配、木々の濃い緑は、日本ならばちょうど晩夏に当たる時季でしょうか。地面に落ちる影も黒々としています。


■参考 英語版ウィキペディア
 http://en.wikipedia.org/wiki/Vartiovuori_Observatory

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