たまには新緑の中で本でも2013年04月29日 09時34分26秒

ヴンダーの話は一服。

ふと気が付けば、今はゴールデンウィークですね。
が、どこにも出かける当てはありません。

しかし、ずっと家の中でくすぶっているのも良くないので、昨日は庭にデッキチェアを持ち出して、本を読んでいました(昆虫学の歴史についての本です)。

明るい陽の光、抜けるような青空、きらきら光る新しい緑。
鳥の声、虫の羽音、そこにページをめくる音が混ざり、目を上げれば、アゲハのカップルが忙しく空を横切っていきます。
(…と情感たっぷりに書いていますが、本当は大通りを走る車の音や、救急車のサイレンなんかも始終聞こえます。でも、そういうのは上手く脳がフィルターをかけてくれるので、あまり気になりません。)

今日も一日のんびり過ごせるといいなと思います。


ヴィクトリア朝の昆虫学―古典博物学から近代科学への展開 
 ジョン・F・M・クラーク(著)、奥本大三郎(監訳)、藤原多伽夫(訳)
 東洋書林、2011

コメント

_ 日本文化昆虫学研究所 ― 2013年05月15日 00時39分12秒

ご無沙汰しておりました.ご紹介されている本,なかなかおもしろそうですね.購入を検討したいと思います.

_ 玉青 ― 2013年05月15日 06時04分51秒

まさに日文昆さん向けの内容かと思います。ぜひご一読ください。
ファーブルの、そのまたずっと以前の昆虫学の様相はこんな風であったか…と、興味深く思いました。まあ、本の後段はファーブルの時代まで話が及ぶのですが、ファーブルその人の名前はただ1か所しか出てきません。フィールドはほぼイギリス限定です。著者は昆虫学プロパーの人でなしに、環境史・科学史が専門だそうで、記述も社会学的視点が濃厚です。

(あ、あと驚いたのは表紙を飾る変な「昆虫人」ですが、これはてっきり邦訳のブックデザイナー氏が書き起こした絵かと思ったら、1830年頃に実際にあった版画だそうです。「昆虫こそわが人生」というキャプションがついていました。尊敬か揶揄かは分かりませんが、当時、こんなふうに昆虫に入れあげる人物が社会に認知されるようになってきたことを表すものでしょう。)

   +

以下、私信めいた内容で恐縮ですが…。
ご恵送いただいた論文はすべて拝読しました。「萌えキャラ」のページを通勤電車の中で見るのは、ちょっと勇気がいりましたが(笑)、カブトムシがまとう文化的コンテクスト(それもアキバ系)の話題、とても面白かったです。
カブトムシのそうした性格を活用することで、環境保護の牽引役として期待できるのでは、というのも大事なご指摘だと思いました。そして、生物多様性の保持を訴える戦略を練るのに、文化昆虫学が活用できるのであれば、話をより一般化して、文化昆虫学は「応用文化昆虫学」とか「昆虫マーケティング論」とかの分野を派生させる、大きな可能性を秘めているようにも感じました(ひょっとして、もうあるのかもしれませんが)。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック