熱くて冷たいもの2016年07月21日 09時38分19秒

「夏は暑い」
セオリーどおり暑いですね。


オーロラの海をゆくレーニン号
全長134メートル、旧ソ連が1959年に完成させた、世界初の原子力砕氷船です。

砕氷船…と聞くと、南極観測船をパッと連想しますが、レーニン号が就航したのは北極海で、ソ連がその建造を急いだのも、冬の北極海で航路を確保するためでした。

3基の原子炉(後に2基に換装)が生み出す高熱は、44,000馬力のパワーを生み、その巨大な船体は、凍てつく氷をバリバリと砕きつつ、白一色の世界に黒い筋を付けながら、ゆっくりと進みました。(…その場を見たわけではありませんが、きっとそのはずです。)

このバッジは見た目が新しいので、当時のものではなくて、わりと新しいお土産品かもしれません。でも色合いがきれいで、レリーフの造形もなかなか秀逸です。

   ★

レーニン号は、まさに「熱くて冷たい」存在。
彼が氷海をゆく様を想像すると、いっとき涼を覚えますが、同船は深刻な原子炉事故も経験しており、1965年には乗組員が最大30名死亡した…などと聞くと、別の意味でもヒヤッとします。




【参考】 ウィキペディア 「レーニン (原子力砕氷艦)」 の項

コメント

_ S.U ― 2016年07月21日 18時32分23秒

ソ連の技術に縁のあるグッズ、よろしいですね。

>見た目が新しいので、当時のものではなくて
 この"XXX"が30周年の意味で、だとすると、1989年頃の品ということでどうでしょうか。まだかろうじて「ソ連時代」ですね。

 ついでに、ММПのほうですが、これは、ムルマンスク船会社(Мурманское морское пароходство)ではないかと思います。

https://en.wikipedia.org/wiki/Murmansk_Shipping_Company

1989年当時は国営の商船会社だったのでしょうか。

_ 玉青 ― 2016年07月22日 06時24分03秒

おお、ありがとうございます。
XXXとは何のことかなと思いましたが、これはストンと納得です。
1989年というと、その3年前に起こったチェルノブイリのことを思い出さないわけにはいきませんが、当時のソ連の人の意識というか、まなざしはどうだったんでしょうね。レーニン号の栄光も今やすっかり色あせ、そこにきざした不信の念は、ついにソ連崩壊を引き起こすに至った…。単純化すればそんな図式でしょうか。

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