酷暑のみぎり、心に平安を2020年08月17日 09時20分03秒

今日は夏休みなので、のんびりしようと思います。
というか、こう暑くてはのんびりするしかできません。
本当に酷暑でどうにかなってしまいそうです。

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そういえば、昔、明治時代にあった雪中行軍遭難事件を描いた「八甲田山」という映画がありました(1977年公開)。北大路欣也さんと高倉健さんの渋い演技もさることながら、あの映画で最も印象に残っているのが、極限の低温下で兵士が発狂するシーンです。酷寒の中、絶叫しながら軍服を脱ぎ棄て、褌一丁で走り出す兵士の異様な姿。

「あれは『矛盾脱衣』と呼ばれる現象で、あまりにも寒いと、人間は逆に暑いと勘違いして、服を脱いでしまうのだ」…という趣旨の説明が、ウィキペディアには載っていますが、「寒さで狂ってしまう」あるいは「狂うほど寒い」というのが、なんとも恐ろしく感じられました。

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一方、「暑さで狂ってしまう」というのは、寒さで狂うよりもポピュラーな気がするんですが、本当に暑さで人間は精神に異常をきたすものなのか?
試みに「暑さ 発狂」で検索すると、こんな画面がパッと出てきます。


どうも、やたらに「発狂」していますね。
その医学的なメカニズムは不明ですが、昔から世間一般がそれを「事実」と受け止めていたことは確かなようです。そして、それを現代において話題にしているのが、もっぱらツイッター界隈であり、ツイッターを好む人は、そういう話題に親和性があることも推測されました。

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ときに、上の画像検索結果の中で、漫画の一コマが引用されていますが、いずれも日野日出志さんの「ウロコのない魚」(単行本『まだらの卵』所収)からの引用で、これは私の本棚にもあります。

「ものすごく暑い夏がつづいていた…」「その暑さの中で少年は毎夜恐ろしい夢にうなされていた」という冒頭から、「ゆ、夢の内容を…!!」「思い出したーーっ!!」と絶叫するラストに至るまで、本当に悪夢のような暑さと狂気を感じさせる作品でした。でも、読むとちょっと汗がひきます。