ヤーキスの夜明け2020年05月02日 14時22分33秒

この連休は、草を植えたり、木を切ったり、網戸を張り替えたりして過ごしています。その合間にお茶を飲み、酒を飲み、本を読み…と、こう書くと、我ながら至極結構なご身分だねと思いますけれど、もちろんこれは強いて悠然としているからそうなので、心の底から寛いでいるわけではありません。

多くの人が感じているであろう、このヒリヒリする不安な思い―。
コロナのことも、コロナ後のことも、10年先のことも、いったん不安に思えば、不安ならざるはなしという今の有様です。

ただ、日本のことはさておき(こんな按配ですから、きっぱりとさておきましょう)、海の外に目を向ければ、理性と才覚で困難を乗り越えつつある地域も多いし、人間の営みの力強さを証する例には事欠きません。そのことは大きな希望です。ヒトというレベルで考えれば、ヒトはてんでダメなところもありますけれど、なかなか大したところもあるなあ…と、そんな当たり前のことを考えながら、今は珈琲を飲んでいます。

桜の話も結局尻切れトンボですが、無事来年の春を迎えることができたら、再び「自宅で桜を見る会」を開催することにします。

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ときに、今年の2月にシカゴのヤーキス天文台の話題がありました。

■ヤーキス天文台の聖骸布

その存続をめぐって長いこともめていた同天文台ですが、ついさっき決着が着いたというニュースを耳にしました。


 
 「人だかりも、テープカットも、シャンパンボトルのはじける音もなかったが、本日、ある祝典がヤーキス天文台前の階段で行われた。科学的探求と教育にかかる、この愛すべきランドマークを保存するための2年間にわたる努力の集大成として、私立ヤーキス未来財団が、シカゴ大学から土地建物の所有権を正式に引き継いだ。」

…という書き出しで始まる記事によれば、今後、同財団が建物の整備を行い、今秋には2018年の閉鎖以来、2年ぶりにヤーキスを再公開するとのこと(本当はもうちょっと早めの公開を予定していたらしいですが、コロナの影響でずれこんだそうです)。

何にせよめでたいです。私もヤーキス天文台のオーナーのひとりとして― タイル1枚のオーナーにすぎませんが ―、本当に喜ばしいニュースです。

明けない夜はなく、止まない雨もないのです。
もちろんコロナだって…と続けてもいいのですが、場合によっては「ヤーキスの存続交渉が決裂し、建物の取り壊しが決まった」というニュースだってあり得たわけですから、強引な我田引水は控えます。