ミッドセンチュリーの夢…児童書に見る宇宙への憧れ2006年06月02日 05時03分44秒


1950年前後、ミッドセンチュリーと呼ばれる時代は、アメリカンホームドラマの世界というか、実直さを尊ぶ古きよきアメリカ文化が最後の光芒を放った時代です。

当時の児童書には、宇宙時代を控えて浮き立つような夢が描かれ、その本に見入る子どもたちの瞳の輝きまでも、ありありと浮かんでくるようです。


(左)Ann T. White: ALL ABOUT THE STARS (1954)

(中)Herbert S. Zim & Robert H. Baker: STARS (1951)

(右)Arthur Draper: WONDERS OF THE HEAVENS (1940)
 

その造本・挿絵には、後にも先にもない、その時代特有の美しさ・愛らしさがあふれています。さして遠い昔のことではないのに、頁を開くたびに、もはや永遠に失われてしまった世界に対するほろ苦い愛惜の念を覚えます。

現在、二束三文で売られているこうした児童書を収集する作業は、楽しくもあり、また愛児の遺骨を拾い上げるような悲しみも覚えます。

…昨日のパロマー望遠鏡の話から、ふと上のようなことを思いました。

コメント

_ Akiyan ― 2006年06月02日 22時29分56秒

労働から帰ってきて、毎晩たのしみなのが、天文古玩さんの美しい
ブログを拝見すること。

>> 現在、二束三文で売られているこうした児童書を収集する
>> 作業は、楽しくもあり、また愛児の遺骨を拾い上げるような
>> 悲しみも覚えます。

非常に共感をおぼえました。
それにしても、豊かさの象徴だった時代の米国の児童書は、なんと
も上質で、ファンタスチックで、美しいこと!

_ 玉青 ― 2006年06月03日 08時27分20秒

おかえりなさい(笑)
このブログが「明日への活力」の源となるなら、こんな嬉しいことはありません。

当時の日米の児童天文書をくらべると、その差に愕然とします。星に憧れる心は双方甲乙付け難いですが、形而下の部分では物量の差が歴然。思うこと多々です。

日本側の実例も近いうちに載せようと思います。

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