ガリレオ温度計2007年08月26日 21時58分48秒

私がこれを買ったのは、平成の初めころです。その頃、東急ハンズが電車内に目立つ広告を出していたのを覚えています。当時はまだ国内で販売されて間もない頃だったのでしょう。

改めて聞いてみれば、動作原理は至極単純(↓)ですが、ただそれを商品として安定的に生産するまでが一苦労だったと、何かで読んだような記憶があります。

■ガリレオ温度計について考える
 http://homepage3.nifty.com/kuebiko/science/freestdy/G_Thermo.htm
 (目にした中では、これがいちばん詳しい解説でした。)

当時は非常に新鮮な、理科室趣味の香りがプンプンする道具でしたが、いつの間にかすっかりポピュラーな存在となったようで、

  紫陽花褪せ ピンクの芙蓉咲き初めぬ
  浮子(うき)すべて沈む ガリレオ温度計 (諏訪兼位)

という短歌が、先日の「朝日歌壇」に載っていました(8月12日付け朝日新聞、馬場あき子氏選)。もはや科学というよりも、文学的な景物となったのだなあ…と、ちょっとした感動がありました。

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ツクツクボウシが鳴き、気配は少しずつ秋めいてきましたが、まだわが家の浮子は沈みっぱなしです。最初の球が浮き上がるのは気温26度。夏好きとしては、浮いて欲しいような、欲しくないような…。