明治の天文台訪問…旧東京商船学校第二観測台(2) ― 2008年08月18日 08時53分05秒
明治の天文台訪問…旧東京商船学校第二観測台(3) ― 2008年08月18日 08時54分10秒
理科少年を形作るもの ― 2008年08月19日 06時35分38秒

夏休みのつれづれにネットを徘徊していて、「関心空間」にこんなページを発見。
■理系少年の部屋(machidoriさんのコレクション)
http://www.kanshin.com/collection/1417825
「鉱物、蝶の標本箱、顕微鏡、試験管、ピンセット、シャーレ。
微かな薬品の香り。
ラベルの貼られた抽斗。
冷たく乾いた理科室のような部屋に憧れます。」
スーッと心に沁みる文句。
理科室好き(叙情派)の心情を実に上手くとらえていますね。
このコレクションに集められたキーワードは、「青色結晶育成キット」、「昆虫採集セット」、「人造クラゲ」、「雪眼鏡」…etc、全部で32個。まるで理科少年の心の断片が、一つひとつ文字になったかのようです。今これを読んでらっしゃる方の中には、こういう文字を見ただけで「ああ!」と天を仰ぐ人も多いことでしょう。
まあ、自分で買わないまでも、甥っ子や姪っ子や相方に買ってあげると、一寸株が上がるかもしれませんね(上らないかもしれません)。
★ ☆
夏休みも残りわずか。心の中の理科室にも、間もなくにぎやかに生徒たちが帰ってきます。(と、悠然と構えている場合ではなく、現実世界では今日から仕事が始まります。ああ…)
【付記】上記ページの下の方、「つながりコレクション」の祥さんのコレクションにも注目。
■理系少年の部屋(machidoriさんのコレクション)
http://www.kanshin.com/collection/1417825
「鉱物、蝶の標本箱、顕微鏡、試験管、ピンセット、シャーレ。
微かな薬品の香り。
ラベルの貼られた抽斗。
冷たく乾いた理科室のような部屋に憧れます。」
スーッと心に沁みる文句。
理科室好き(叙情派)の心情を実に上手くとらえていますね。
このコレクションに集められたキーワードは、「青色結晶育成キット」、「昆虫採集セット」、「人造クラゲ」、「雪眼鏡」…etc、全部で32個。まるで理科少年の心の断片が、一つひとつ文字になったかのようです。今これを読んでらっしゃる方の中には、こういう文字を見ただけで「ああ!」と天を仰ぐ人も多いことでしょう。
まあ、自分で買わないまでも、甥っ子や姪っ子や相方に買ってあげると、一寸株が上がるかもしれませんね(上らないかもしれません)。
★ ☆
夏休みも残りわずか。心の中の理科室にも、間もなくにぎやかに生徒たちが帰ってきます。(と、悠然と構えている場合ではなく、現実世界では今日から仕事が始まります。ああ…)
【付記】上記ページの下の方、「つながりコレクション」の祥さんのコレクションにも注目。
フィンランドの遠い夏…ヴァルティオブオリ天文台 ― 2008年08月20日 06時42分46秒
最近買った絵葉書。
フィンランドのヴァルティオブオリ(?Vartiovuori)天文台。
古都・トゥルク(ヘルシンキの西150キロ、スウェーデン対岸の街)にある古い天文台。後にボン掃天星表をまとめた、フリードリッヒ・ヴィルヘルム・アルゲランダー(1799-1875、http://tinyurl.com/5cryy8)が、若いころ台長を務めたことで知られます。新古典様式の本館は、ドイツ人建築家、カール・ルードヴィッヒ・エンゲルスの作で、1819年竣工。てっぺんの天球儀のモニュメントが目を引きますが、これもやっぱりギリシャ・ローマ風の意匠なんでしょうか。彼は同じ様式で、ヘルシンキ大学天文台や、ロシアのプルコヴォ天文台も手がけています。
この歴史ある建物は、1827年にトゥルクを焼き尽くした大火にも無事で、今も健在です。ただし、天文台の設備と機能は1834年にはヘルシンキへと移り、その後は長いこと航海学校として使用され、現在は博物館になっている由。
上の写真は1920年代頃のホワイトボーダータイプの絵葉書。既に天文台の役割を終えて久しいはずですが、キャプションには依然「天文台 Observatoriet」と書かれています。遠い日の天文台の記憶をとどめた、遠い日の写真。
フィンランドの季節感はよく分かりませんが、空の気配、木々の濃い緑は、日本ならばちょうど晩夏に当たる時季でしょうか。地面に落ちる影も黒々としています。
■参考 英語版ウィキペディア
http://en.wikipedia.org/wiki/Vartiovuori_Observatory
存在する者 ― 2008年08月21日 06時35分07秒
全然天文とは関係ない話ですが、昨日の絵葉書。
スキャンする時によく見たら、「あ、子どもがいる!」と初めて気がついてビックリ。
偶然でしょうか、演出でしょうか。
可愛らしくもあり、ちょっと妙な感じもします。ありうべからざる物があるような。
○
ところで、先週、湘南まで観光に出かけたんですが。
鎌倉から江ノ電に乗り、あれはどの辺だったでしょう、長谷を過ぎて、海岸線が近づいて来た頃だと思います。停車場に滑り込む間際、車窓から、白い和服を着た上品な女性がホームに立っているのが見えて、そのゆかしい風情に思わず目を見張ったんですが。一瞬後に電車が停まった時には、そんな人は影も形もなく、ホームには午後の日差しがカンカンと照りつけるばかりでした。
まあ目の迷いには違いないんでしょうが(何せとても暑い日でしたから)、ただ、今にして思えば、その日は丁度8月15日で、そんな掛かり合いもあるのかどうか。一緒にいた家族には黙っていましたが、今もって一寸不思議な気がしています。
○
何だか岡本綺堂の下手なパスティーシュみたいですが、この話、特にオチはありません。ある夏の日の小さなエピソード。
○
さて、明日は旅の落穂拾いとして、国立科学博物館再訪メモです。
国立科学博物館再訪(1) ― 2008年08月22日 20時38分17秒
(↑国立科学博物館日本館<昭和5年竣工>中央吹き抜け)
去年の11月、上野の科学博物館に行った記事を書きました(↓)が、また見学の機会がありました。
http://mononoke.asablo.jp/blog/2007/11/24/2456087
前はボーッとして写真を撮り漏らしたんですが、今回は時間に余裕もあったので、ゆっくり写真を撮ることができました。以下は、日本館で心に響いたモノたちです。
じっくり見るにつけても、やはり科博は侮れんな、という印象を強く持ちました。
去年の11月、上野の科学博物館に行った記事を書きました(↓)が、また見学の機会がありました。
http://mononoke.asablo.jp/blog/2007/11/24/2456087
前はボーッとして写真を撮り漏らしたんですが、今回は時間に余裕もあったので、ゆっくり写真を撮ることができました。以下は、日本館で心に響いたモノたちです。
じっくり見るにつけても、やはり科博は侮れんな、という印象を強く持ちました。
国立科学博物館再訪(2) ― 2008年08月22日 20時40分25秒
国立科学博物館再訪(3) ― 2008年08月22日 20時42分29秒
国立科学博物館再訪(4) ― 2008年08月23日 15時21分19秒
同じく日本館1階に、こんな珍品がさりげなく置かれていました。
このグニャグニャしたものは「地震動軌跡模型」。
明治20年に起きた地震の際の地面の動きを、地震計の記録を元に針金で再現したものだとか。
今なら即CGでしょうが、丹念な手仕事は好感度大です。この針金を凝視して、頭の中で揺れを再現すると、地震の様がいっそうよく分かるような気がします。台座や説明プレートも非常に凝っていて、明治時代の科学の香気をよく伝えています。
ちなみに、この斬新な模型を作った関谷清景(せきやせいけい、1854-1896)は、何と世界最初の(日本で最初の、ではありませんよ)地震学教授だそうです。下の略伝を見ても相当な傑物のようです。(記事中「石川県大垣市」とあるのは、「岐阜県大垣市」の誤記)
■「全国地図測量史跡」全文紹介/世界で最初の地震学教授関谷清景の墓
http://www5a.biglobe.ne.jp/~kaempfer/mapsuv200/shiseki/kinki/kk20.htm
このグニャグニャしたものは「地震動軌跡模型」。
明治20年に起きた地震の際の地面の動きを、地震計の記録を元に針金で再現したものだとか。
今なら即CGでしょうが、丹念な手仕事は好感度大です。この針金を凝視して、頭の中で揺れを再現すると、地震の様がいっそうよく分かるような気がします。台座や説明プレートも非常に凝っていて、明治時代の科学の香気をよく伝えています。
ちなみに、この斬新な模型を作った関谷清景(せきやせいけい、1854-1896)は、何と世界最初の(日本で最初の、ではありませんよ)地震学教授だそうです。下の略伝を見ても相当な傑物のようです。(記事中「石川県大垣市」とあるのは、「岐阜県大垣市」の誤記)
■「全国地図測量史跡」全文紹介/世界で最初の地震学教授関谷清景の墓
http://www5a.biglobe.ne.jp/~kaempfer/mapsuv200/shiseki/kinki/kk20.htm
処暑+1日 ― 2008年08月24日 19時49分54秒
科博ではまだ取り上げたいモノもあるんですが、ちょっと調べていることがあるので、少し寝かせておきます。
またそれとは別に、短期集中の仕事が入ったので、記事の方は2,3日お休みします。
○
それにしても、わずか10日ばかりのうちに、本当に涼しくなりましたね。
今もリーリーと盛んに秋の虫が鳴いています。
嬉しくもあり、寂しくもあり…この時期になると、毎年判でついたように同じ感想を抱きます。季節も人の感慨も、すべては大いなる円環の一部なのでしょう。
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