ねじれた時間感覚…恐竜懐古談 ― 2012年04月06日 20時05分46秒
(↑朝日新聞=2012年4月5日=の紙面より)
「大型恐竜にも羽毛」 「全長9メートル、中国で新種化石発見」
「…国立科学博物館の真鍋真研究主幹は『大型恐竜にも羽毛があったという証拠がついに出た。羽は雌雄を見分けたり、求愛のディスプレーに使ったりした可能性がある』と話した。」
★
縁側で爪を切りながら新聞を見ていたおじいさんが、誰に言うともなくつぶやきました。
なんだぁ、中国で羽毛をまとった大型恐竜だって?
…いってえ世の中、どうなっちまったんだ。
昔は恐竜といやあ、みんなどっしり腰を落としてなあ、ノッシノッシと歩いたもんさ。肌だってザラザラのうろこ肌でよ。まあ、見るからに堂々としてたな。子供心にも、そりゃあ、ほれぼれとしたもんだ。
それに比べて、何だあ、近ごろの恐竜どもは。どいつもこいつも尻尾を持ち上げてスタスタ歩きやがって。尻が軽いったらありゃしねえ。しかもボサボサ毛なんぞ生やしやがって。まったくなっちゃいねえ。
ああ、昔はよかったなあ…
コメント
_ S.U ― 2012年04月07日 10時44分54秒
_ Sora ― 2012年04月07日 16時37分43秒
発見されたのが中国、というのも見ると、発掘員がこそっと羽毛を描きたしているのではないかと言う疑惑が…。 中国以外で羽毛恐竜が発見されたら新説も信じる事にします;
_ 玉青 ― 2012年04月07日 19時16分55秒
○S.Uさま
嗚呼、今日も新橋の裏道から、古い恐竜の歌が聞こえる。
酒と涙と恐竜と…
○Soraさま
うーん…化石マーケットにおける貴州竜なんかの黒歴史を考えると、いろいろ思うところはあります。ただ、少なくとも今回の成果については、カナダとの共同研究によるものですし(両国の共同研究は四半世紀に及ぶ歴史があります)、ネーチャー誌が論文受理していますから、かなり確度のあるものとみて良いのでは。また、中国は恐竜の多産地を域内に含みますから、新しい発見が中国でなされる可能性は常にあることも考慮すべきかと思います。
まあ、中国の場合、恐竜研究の学問水準自体よりも(それには一定の評価があります)、政治的思惑による周囲からの圧力の存在に注視すべきかもしれませんね。(その実態を知らないので、これは独り言です。)
嗚呼、今日も新橋の裏道から、古い恐竜の歌が聞こえる。
酒と涙と恐竜と…
○Soraさま
うーん…化石マーケットにおける貴州竜なんかの黒歴史を考えると、いろいろ思うところはあります。ただ、少なくとも今回の成果については、カナダとの共同研究によるものですし(両国の共同研究は四半世紀に及ぶ歴史があります)、ネーチャー誌が論文受理していますから、かなり確度のあるものとみて良いのでは。また、中国は恐竜の多産地を域内に含みますから、新しい発見が中国でなされる可能性は常にあることも考慮すべきかと思います。
まあ、中国の場合、恐竜研究の学問水準自体よりも(それには一定の評価があります)、政治的思惑による周囲からの圧力の存在に注視すべきかもしれませんね。(その実態を知らないので、これは独り言です。)
_ S.U ― 2012年04月07日 21時20分06秒
>新橋の裏道から、
ははは。また、玉青様が「恐竜酒場」へ出かけられるときはお声をおかけください。お供をさせていただいて、お耳汚しに鶴田浩二さんの物真似でもご披露いたしましょう。
古い奴だとお思いでしょうが、古い恐竜こそ新しいものを欲しがるものでございます
...真っ平ご免と 二足歩行で 歩きたいけど 歩けない...
ははは。また、玉青様が「恐竜酒場」へ出かけられるときはお声をおかけください。お供をさせていただいて、お耳汚しに鶴田浩二さんの物真似でもご披露いたしましょう。
古い奴だとお思いでしょうが、古い恐竜こそ新しいものを欲しがるものでございます
...真っ平ご免と 二足歩行で 歩きたいけど 歩けない...
_ 玉青 ― 2012年04月08日 21時45分09秒
明治、大正、昭和、平成。歌は世につれ…
この前聞いた話ですが、恐竜界もなかなか難しいらしくて、三畳紀の高齢世代、ジュラ紀の中年世代、白亜紀の若者世代では、歌の好みもノリも全然違っていて、中高年は悲哀をかこっているんだそうですよ。
この前聞いた話ですが、恐竜界もなかなか難しいらしくて、三畳紀の高齢世代、ジュラ紀の中年世代、白亜紀の若者世代では、歌の好みもノリも全然違っていて、中高年は悲哀をかこっているんだそうですよ。
_ S.U ― 2012年04月09日 07時13分12秒
でも、活気に満ちた若者たちも白亜紀の最後で滅びちゃうんですよね。
日本人が恐竜好きなのは、平家物語と同様「滅びの美学」にあるというのがひろく信じられている説です(そうでもないか。←適当なことを書いている)。
いっぽう、仕事のあとで中高年の歌う悲哀のこもった演歌は、抑圧からのカタルシスを求めているものとひろく信じられています(こちらは正しいでしょう)。
日本人の心において、恐竜と演歌は何か近いところにあるような気がします。抑圧から解放されて大きく進化すること、一人の庶民が歌唱の天性で大スターになること、そして、いずれは滅ぶことをみんなにひそかに待たれていること、...不思議な心理だと思います。
日本人が恐竜好きなのは、平家物語と同様「滅びの美学」にあるというのがひろく信じられている説です(そうでもないか。←適当なことを書いている)。
いっぽう、仕事のあとで中高年の歌う悲哀のこもった演歌は、抑圧からのカタルシスを求めているものとひろく信じられています(こちらは正しいでしょう)。
日本人の心において、恐竜と演歌は何か近いところにあるような気がします。抑圧から解放されて大きく進化すること、一人の庶民が歌唱の天性で大スターになること、そして、いずれは滅ぶことをみんなにひそかに待たれていること、...不思議な心理だと思います。
_ 玉青 ― 2012年04月09日 20時11分58秒
話題が深いところに行きましたねえ。
恐竜と演歌のメンタリティ、さらには日本人論。
そういえば、これも単なる連想ですが、戦艦大和が沈んだのが67年前の一昨日だったと、これも朝日で読んだような…
恐竜と演歌のメンタリティ、さらには日本人論。
そういえば、これも単なる連想ですが、戦艦大和が沈んだのが67年前の一昨日だったと、これも朝日で読んだような…
_ S.U ― 2012年04月10日 06時45分03秒
>戦艦大和が沈んだのが67年前の一昨日
あぁ、そうだったのですか。
不利を承知の巨艦の出撃を「滅びの美学」の完結のため、というのは言い過ぎだとしても、港に閉じ込められるくらいなら外洋で花々しく、という心理は当然働いたでしょう。
今を盛りの桜も散ることを知っているからこそ美しい、何かアナクロ軍国主義的なコメントになってきましたが、自滅ばかりしていてもいけませんので、まあ日本人の滅びの美学には自ら要注意です。
あぁ、そうだったのですか。
不利を承知の巨艦の出撃を「滅びの美学」の完結のため、というのは言い過ぎだとしても、港に閉じ込められるくらいなら外洋で花々しく、という心理は当然働いたでしょう。
今を盛りの桜も散ることを知っているからこそ美しい、何かアナクロ軍国主義的なコメントになってきましたが、自滅ばかりしていてもいけませんので、まあ日本人の滅びの美学には自ら要注意です。
_ 玉青 ― 2012年04月10日 20時11分08秒
ええ、自壊を自戒しましょう…と、ダジャレで話を締めくくれるうちが、平和で良い世の中かもしれませんね。(^J^)
(別件ですが、メールをありがとうございました。さしあたり当方で対応したいと思います。)
(別件ですが、メールをありがとうございました。さしあたり当方で対応したいと思います。)
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このあと演歌が歌い出されそうです。