世界の果てへ(3)2014年12月07日 09時06分32秒

誰もいない海岸。
誰も見上げる者のない星空。
大空をよぎる円弧に日光がきらきらと照り映える壮麗な夜明け(あるいは夕暮れ)。


かつて土星には海があり、山があり、雲があると想像されていました。
19世紀人の脳裏にのみ存在した、哀しいまでに美しいイメージ。

世界の果てを目指した人は、この海岸に至り、波打ち際に腰を下ろしたとき、心底安らぎを覚えたことでしょう。
ここには完璧な静寂があり、絶対的な孤があり、そして永遠がある。

   ★

最近、ガラススライドをちょくちょく買います。


現実と非現実のあわいに広がる別世界。
真の世界の果ては、ひょっとして固く脆く透明なプレートの向こうにあるのかもしれません。

世界の果てへ(おまけ)2014年12月07日 19時53分55秒

世界の果てを目指して、土星まで行きました。
世界はさらにその向こうに、限りもなく続いているので、当然、土星で一服した後、人はさらにその先を目指すのでしょう。でも、どこまで行っても、やっぱり来てみれば さほどでもなし 富士の山」かなあ…という気も一方ではします。

昔、「この宇宙には中心も、果てもない」と本で読みました。
裏返せば、すべての場所が中心であり、果てでもあるのでしょう。
また別の本には、「無限の彼方まで見通せる望遠鏡があれば、自分の後頭部が見えるはずだ」とも書かれていました。

今、この場所が世界の果てなんだ…と考えることは、ちょっと気分がいいものです。

世界の果てを極めた者として言わせてもらえれば、世界の果ては意外に賑やかで、ゴミゴミしているところです。来週には、世界の果てで選挙が行われるそうで、世界の果ての民も、いろいろ忙しそうです。