世界の果てへ(3)2014年12月07日 09時06分32秒

誰もいない海岸。
誰も見上げる者のない星空。
大空をよぎる円弧に日光がきらきらと照り映える壮麗な夜明け(あるいは夕暮れ)。


かつて土星には海があり、山があり、雲があると想像されていました。
19世紀人の脳裏にのみ存在した、哀しいまでに美しいイメージ。

世界の果てを目指した人は、この海岸に至り、波打ち際に腰を下ろしたとき、心底安らぎを覚えたことでしょう。
ここには完璧な静寂があり、絶対的な孤があり、そして永遠がある。

   ★

最近、ガラススライドをちょくちょく買います。


現実と非現実のあわいに広がる別世界。
真の世界の果ては、ひょっとして固く脆く透明なプレートの向こうにあるのかもしれません。

コメント

_ 蛍以下 ― 2014年12月07日 22時06分26秒

ガラスの質感といい、手のひらに収まるサイズ感といい、これは収集したくなるアイテムですね^^
プレートの向こうは世界の果てなのか、それとも自己の深奥なのか分からなくなりそうですね。

_ 玉青 ― 2014年12月08日 06時43分58秒

数がたまると重いのがちょっと難点ですが、このカッチリ感がいいですよね。
そして、リアルな映像の向こうに、こちらの世界が透けて見えて、そこに異世界感が高まるのも魅力だと思います。

スライドの話題は、もうちょっと続きます。

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