出でよ渾天儀(1)2015年12月18日 06時50分46秒


(南京紫金山天文台、2006年)

我ながら義理堅い―と思ったことがあります。
いや、義理堅いというよりも、執念深い。

何を言っているのかというと、5年近く前、コメント欄で私は一つの宿題をもらいました。それは、西洋のアーミラリー・スフィアとは一味ちがった、中国風の渾天儀(こんてんぎ)の土産物はないだろうか?それも架台にドラゴンが絡み付いた、迫力満点のやつは?…というものでした(http://mononoke.asablo.jp/blog/2011/05/13/5861129)。

私はそういうものを確かに見た気がするので、必ずやあるであろう…と、そのときは思い、かつそのようにお答えしました。でも、これが思ったより難物で、その実物を見ぬまま、空しく四年半の時が経過したのでした。

されど、「思う念力岩をも通す」と言います。
今年になって、ついにその実物に出会うことができました。
これを竜神の加護と言わずして、何と言いましょう。

…と、最初から大層勿体ぶっていますが、これは勿体ぶるだけの価値があるので、実物の登場は次回に。

   ★

ときに、今日もそうですし、前々回の「水色番号」の件もそうなんですが、この頃やたらと古い記事に言及していて、元々「郷愁」をキーワードにしたブログではあるものの、自らの過去記事に郷愁を感じるようでは、かなり末期的な感じです。

老人は思い出に生きると言います。
「天文古玩」も10周年を前に、すっかり老境に入った観があります。

でも、だからといって他にどうすることも出来ないので、力尽きてコトリと逝くまで、この先も後ろ向きの、もといノスタルジアに満ちた記事を書き続けることでしょう。
願わくば、そこにリリシズムが相伴いますように。

(勿体ぶった繰り言として、この項つづく)