二度あることは三度ある…いよいよ深まる日食絵葉書の謎 ― 2013年04月20日 07時28分00秒
継続は力なり。
しつこく天文古玩的な品を買い、しつこくブログを続けていると、いろいろ「発見」があるものです。まあ、あまり世間の役には立たない発見ですが。
しつこく天文古玩的な品を買い、しつこくブログを続けていると、いろいろ「発見」があるものです。まあ、あまり世間の役には立たない発見ですが。
★
まずは、下の記事をお読みください。今から3年前の記事です。
日食をモチーフにした謎の絵ハガキを取り上げた内容で、上の記事自体、さらに4年前の記事をフォローしています。今回はさらにそのフォロー。(本当にしつこいですね。しかも今見たら、前回も「継続は力なり」とか書いていて、まったく成長がないというか、語彙が乏しいというか…)

(第1の絵葉書、ブリッジトン)

(第2の絵葉書、デトロイト)
さらに今回見つけた第3の絵葉書は、シカゴ生まれです。
前2者は未使用の絵葉書でしたが、今回は使用済みなので、ようやく発行年の手がかりが得られました。即ちスタンプによれば、この絵葉書は1914年4月に投函されています。当初想像したよりもだいぶ古いものでした。
では、シカゴで皆既日食が見られたのはいつかな?…と、前回もリンクを張ったNASAの日食地図(http://eclipse.gsfc.nasa.gov/SEmap/SEmapNA/TSENorAm1901.gif)を参照したのですが、1914年はおろか、20世紀前半にシカゴで皆既日食が見られた事実はないようです。あれれ?
すると、この絵葉書は最初から日食とは無関係だったのか…?
ひょっとしたら、ここに描かれているような、日食と女性の取り合わせは、当時の人にとって自明な、何らかのジョークや仄めかしに関連しているのかも…?
例によって、事情をご存知の方からのご教示をお待ちします。
★
一般的な話として、この手の絵葉書は「pennant postcard」と呼ばれることを、その後知りました。
検索した情報を切り張りすると、これは町や村の名前をペナント内に刷り込んだ、一種の「ご当地カード」で、第一次大戦の前あたり(1910年前後)にアメリカで特異的に流行ったものだそうです。中には、「felt pennant postcard」と言って、ペナントの形に切ったフェルトに地名をプリントし、それを厚紙に貼ったタイプもある由。
「ご当地カード」といっても、必ずしも各地のオリジナル・デザインではなく、多くの場合は、業者が用意した出来合いのデザインから適当なのを選んで発注をかけたそうで、この日食絵葉書のように、同じデザインのカードがあちこちにあるのはそのためです。
その機能、つまりどういう意図で、こういう絵葉書がやり取りされたのかは不明ですが、当時のアメリカでは、コミュニティ意識が非常に高揚していたのかもしれません(想像です)。
…というような歴史的背景を知ってみても、シカゴやデトロイトの衆が、いったいどんな思いを託して、こんな絵葉書を作ったのかは、依然謎。
コメント
_ S.U ― 2013年04月20日 11時27分56秒
_ 玉青 ― 2013年04月20日 14時41分00秒
さっそくお調べいただきありがとうございます。
失敗・失恋のメタファーは、かなり行けそうですね。いずれにしても、ユーモア系のカードであることは間違いないような気がします。
(こんなことを聞いてもいいのか迷いましたが、先ほど天文学史のMLにも質問を投げかけてみたので、何か回答があれば、また記事の方に上げたいと思います。)
ところで葉書の裏面ですが、文面は「Halo」に始まり、「I send may besth regards to everibody ine hause」に至るまで、ふざけているのかと思えるほどスペルミスが多くて、文意も全く不明です。うーん、何なんでしょうねえ。それ自体大きな謎です。
失敗・失恋のメタファーは、かなり行けそうですね。いずれにしても、ユーモア系のカードであることは間違いないような気がします。
(こんなことを聞いてもいいのか迷いましたが、先ほど天文学史のMLにも質問を投げかけてみたので、何か回答があれば、また記事の方に上げたいと思います。)
ところで葉書の裏面ですが、文面は「Halo」に始まり、「I send may besth regards to everibody ine hause」に至るまで、ふざけているのかと思えるほどスペルミスが多くて、文意も全く不明です。うーん、何なんでしょうねえ。それ自体大きな謎です。
_ S.U ― 2013年04月20日 16時27分40秒
>文面
このスペルミスは何なんでしょうね。失意のあまりヤケになっているのでしょうか。
これは天文学史MLの皆様も面食らうでしょうね。お手並み拝見とすることにしましょう。
このスペルミスは何なんでしょうね。失意のあまりヤケになっているのでしょうか。
これは天文学史MLの皆様も面食らうでしょうね。お手並み拝見とすることにしましょう。
_ astray ― 2013年04月20日 16時34分35秒
寝ぼけたトーシローの詰まんない突っ込みです。
字句ネタは好きだったりします ^_^;
discover = 良さが分かる
eclipse = 隠すこと (= チラ見せ?)
。。。と思えば、女性の写真 (絵?) との対応も
すっきりするよーな。
その謎懸けの心は astronomy ってなもんで。
問題は、1910 年代に、これだけで受けてたのか ?
別の意味があるんじゃないのか ?
ってことなんだとは思いますが。。。
字句ネタは好きだったりします ^_^;
discover = 良さが分かる
eclipse = 隠すこと (= チラ見せ?)
。。。と思えば、女性の写真 (絵?) との対応も
すっきりするよーな。
その謎懸けの心は astronomy ってなもんで。
問題は、1910 年代に、これだけで受けてたのか ?
別の意味があるんじゃないのか ?
ってことなんだとは思いますが。。。
_ KotomiCreations ― 2013年04月20日 21時02分27秒
先日は、リンクいただいてありがとうございました^^。
こちらの話題も渋くていい味ですね、ちょくちょくお邪魔して読ませていただいています。
さて、このカードですが・・・、私見ですが、これはH(エッチ)系のユーモア・カードだと。
「天文の勉強してたんだけどぉー、もっといいこと見つけちゃってぇー」・・・という感じで、「とある出来事」の後に、ストッキングを整えておる・・・と。
「eclipse」には、S.Uさんのご指摘のように、「失墜」とか、「(他の)ものの方が重要になって・・・」のような、意味合いがあるようです。
そして、まさしくご指摘のように、どこかで大量生産されたものに、地名だけ後刷りで入れる「ご当地カード」です。
「ご当地カード」の中には、UKでもそうなんですが、「エッチ系ユーモア」のもの、とーても多いです。
UKの場合、この手のエッチ系カードは、海岸リゾート地のものに大量に見られます。(あ、現在でも売ってます、そのタイプ・・・笑)。
そして、このタイプのカードを面白がって買うのが、そーいうタイプの、愛すべき(笑)労働者諸君です。
当時の大工業都市、シカゴ、デトロイトというところから、出稼ぎ労働者君が、国の家族や旧友に面白がって送る・・・という図式が伺われます。
それが、この、ファンキーなスペル間違い、ということも説明しているかもしれません。
学校で、ろくにスペルも覚えないうちに、14-15歳で地方から大工場に働きに来て、家の家族に「I send my best regards to everybody in house.(はろー、みんなによろしくなぁー。」と、カードを送っているのですね、きっと。
もしかすると、文盲に近い状態で、聞き覚えの「手紙に書く挨拶言葉」を、そのまま書き写しているようです。
地方訛りがそのまま、スペリングに反映されてもいるかもしれませんね。
突然乱入で失礼をばいたしましたー。
こちらの話題も渋くていい味ですね、ちょくちょくお邪魔して読ませていただいています。
さて、このカードですが・・・、私見ですが、これはH(エッチ)系のユーモア・カードだと。
「天文の勉強してたんだけどぉー、もっといいこと見つけちゃってぇー」・・・という感じで、「とある出来事」の後に、ストッキングを整えておる・・・と。
「eclipse」には、S.Uさんのご指摘のように、「失墜」とか、「(他の)ものの方が重要になって・・・」のような、意味合いがあるようです。
そして、まさしくご指摘のように、どこかで大量生産されたものに、地名だけ後刷りで入れる「ご当地カード」です。
「ご当地カード」の中には、UKでもそうなんですが、「エッチ系ユーモア」のもの、とーても多いです。
UKの場合、この手のエッチ系カードは、海岸リゾート地のものに大量に見られます。(あ、現在でも売ってます、そのタイプ・・・笑)。
そして、このタイプのカードを面白がって買うのが、そーいうタイプの、愛すべき(笑)労働者諸君です。
当時の大工業都市、シカゴ、デトロイトというところから、出稼ぎ労働者君が、国の家族や旧友に面白がって送る・・・という図式が伺われます。
それが、この、ファンキーなスペル間違い、ということも説明しているかもしれません。
学校で、ろくにスペルも覚えないうちに、14-15歳で地方から大工場に働きに来て、家の家族に「I send my best regards to everybody in house.(はろー、みんなによろしくなぁー。」と、カードを送っているのですね、きっと。
もしかすると、文盲に近い状態で、聞き覚えの「手紙に書く挨拶言葉」を、そのまま書き写しているようです。
地方訛りがそのまま、スペリングに反映されてもいるかもしれませんね。
突然乱入で失礼をばいたしましたー。
_ 玉青 ― 2013年04月21日 05時58分13秒
astrayさん、鋭いところを突かれますね!
どうも全体のニュアンスは、その辺に落ち着くようですよ。
S.Uさんも、どうぞMLメンバーの鮮やかな手並みを、今日の記事でご覧ください。
○KotomiCreationsさま
いやぁ、これは、これは。こんな取り散らかしたところにお出でいただき、なんともはや…さ、さ、どうぞ座布団をお当てください。
「Visual標本箱」、毎回胸を躍らせながら拝見しています。
こうして直接やりとりする機会が得られたこと、本当に光栄に思います。
ときにeclipseの謎。
>「とある出来事」
おお、そこまで行かれますか。
識者の教示によれば、同じH系でも、その手前あたりで危うく踏みとどまっている気配もありますが、実は「とある」辺りまで自ずと連想が働くよう、巧みに構図取りがしてある…というのが真相かもしれませんね。
どうも初めてのやりとりが「とある」話題に終始してしまい恐縮です(笑)。
いずれまた「美&驚」にちなむコメントも頂戴できれば幸に存じます。
それでは、今後とも何卒よろしくお願いいたします。<(_ _)> <(_ _)>
どうも全体のニュアンスは、その辺に落ち着くようですよ。
S.Uさんも、どうぞMLメンバーの鮮やかな手並みを、今日の記事でご覧ください。
○KotomiCreationsさま
いやぁ、これは、これは。こんな取り散らかしたところにお出でいただき、なんともはや…さ、さ、どうぞ座布団をお当てください。
「Visual標本箱」、毎回胸を躍らせながら拝見しています。
こうして直接やりとりする機会が得られたこと、本当に光栄に思います。
ときにeclipseの謎。
>「とある出来事」
おお、そこまで行かれますか。
識者の教示によれば、同じH系でも、その手前あたりで危うく踏みとどまっている気配もありますが、実は「とある」辺りまで自ずと連想が働くよう、巧みに構図取りがしてある…というのが真相かもしれませんね。
どうも初めてのやりとりが「とある」話題に終始してしまい恐縮です(笑)。
いずれまた「美&驚」にちなむコメントも頂戴できれば幸に存じます。
それでは、今後とも何卒よろしくお願いいたします。<(_ _)> <(_ _)>
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
前回のコメントでは完全に脱線させてしまったので、今回は反省して真面目に考えようと、とりあえず研究社の新英和大辞典で"eclipse"を見てみると、「(名声などが)失墜する」(こと)とありました。 やはりそういう方面の符牒だったのでしょうか。
今回の絵葉書の反対面に私信が含まれているならば、そこに失敗とか失恋でお先真っ暗とか告白されていないでしょうか。