鉱石倶楽部幻想(5)…自室にて2013年08月18日 19時25分58秒



鉱石倶楽部に行ってみたい―。
ネット上には、そう切望する声が少なくありません。
 

今回、そのイメージを求めて、インターメディアテクやcafeSAYAさんを訪問したわけですが、残念ながら、いずれも「いつでも好きな時に入り浸れる場所」ではありません。(我が家からだと、その都度、新幹線に乗らねばなりません。)
 

結局、鉱石倶楽部にいつでも行くためには、自らの手で「自分だけの鉱石倶楽部」を作るしかないのでしょう。そのためには、相当な時間とエネルギーが必要で、現実にはほとんど不可能とも思えますが、でも、せめてそのイメージの断片なりとも…と、いじましい努力を日々続けているようなわけです。
 

そして、人間「足るを知る」ことも重要ですから、今はこれで満足しなければなりません。そして、足りない部分は想像力で補うのです。
 

どんなにささやかでも、これこそが「自分だけの鉱石倶楽部」であり、私にとっては掛け替えのない空間なのです。

コメント

_ S.U ― 2013年08月19日 06時47分41秒

ちょっと論点がずれるかもしれませんが、私の勝手なイメージの「鉱石倶楽部」の建物を披露させていただきたいと思います。
 それは、地方都市にある石造りの銀行の廃舎です。たぶん昭和初期に造られて、人口数万~数十万の規模の都市にあり、玄関は街の主要な交差点に45度の角度で向かっていて、そんなに大きくなく、間口数間せいぜい3階建で入口には数段の石段がある、そんなところを利用されるのはいかがでしょうか。内部については、すでにご紹介のような方向でセットしていただくということで...

_ 玉青 ― 2013年08月19日 21時19分32秒

おお、なかなかいい感じではないでしょうか。
本文には、建物全体は石造りの背の高いビルで、その1~2階をテナント借りしているように読める記述もありますが、実際に撮影用セットとして組むには、S.Uさんのご提案でその「風趣」は十分再現されそうです。何よりも、石造りのレトロな建物というのが、この場合第一のポイントでしょうから。

読書百遍、意自ずから通ずと言いますが、白状すると、鉱石倶楽部に関しては本文を何度読んでも、私の中に具体的な像を結びません。そもそもどれぐらいの広さがあるのか、石製の柱はどんな風に並んでいるのか、入口と階段の位置関係はどうか、食事の出来るカウンターはどこにあるのか、2階はどうなっているのか…いずれもボンヤリとしています。

ですから、まずは具体的な建物を1つポンと決めて、そこから細部を作りこんだ方が、この場合手っ取り早い気がします。

_ 蛍以下 ― 2013年08月19日 21時58分58秒

S.U様の御提案、面白いので乗らせてもらいます。
昔、地銀だった石造りというのは魅力的ですね。ただ、そうすると鉱石倶楽部の経営者はその建物を所有する金持ちなのか、あるいは賃貸だとすると業態と賃料が釣り合わないのでは、と心配になります。(神戸クラスの都市を前提としています。)
その点、古い雑居ビルの1、2階を借りてるとすれば整合が取れるような気がします。

こんな↓イメージはいかがでしょう?(神戸ではありません)
http://kansai.daynight.jp/cgi-bin/stored/0512.jpg

石造りから離れてしまいますが・・・

_ 玉青 ― 2013年08月20日 06時33分40秒

あはは、経営面まで気を配っていただければ、オーナーとしては心強い限りでしょうが、でもまあ、人口減少の進む未来社会ですから、テナント料とか思い切り安いと考えて、ここはバンバン豪華な建物に入居してはどうでしょう。現実を飛躍するぐらいのほうが、あの世界に馴染むかもしれません。

S.Uさんがイメージされたであろうような建物は↓にたくさん取り上げられていました。

■近代建築Watch:銀行(by sunshine-worksさん)
http://hardcandy.exblog.jp/tags/%E9%8A%80%E8%A1%8C/

パラパラ見ていたら、以前、神戸散歩に行ったとき気になった↓の建物が目につきました。今回初めて知りましたが、旧住友銀行神戸支店の建物だったそうです。
http://hardcandy.exblog.jp/7536600/

_ S.U ― 2013年08月20日 06時53分55秒

玉青さん、蛍以下さん、ご賛同下さりありがとうございます。
確かに神戸クラスの大都市の建物は立派ですね。地代が心配になるのもその通りです。今は人口が減りかけた地方の城下町クラスの小ぶりなのなら何とかなりそうな気がしますが。 sunshine-worksさんのコレクションはすばらしいです。例えばですが、米子市のが私のイメージに近いです。

 今のことですから、歴史的建造物として市が押さえて保護して、「街興し」の一環で第三セクターかなんかで文化団体に格安で貸してくれるとかもあるかもしれません。(玉青さんの心意気と裏腹に思い切り現実的になってしまってすみません)

_ 蛍以下 ― 2013年08月20日 13時03分51秒

なるほど!人口減で賃料が安いというのは名案ですね(笑)
それにしてもsunshine-worksさんのサイトは素晴らしいですね。


いまいちど文庫を見返してみました。(初版22~23頁)
鉱石倶楽部があるというビルの外観の特徴は…

①かなり古く外壁が黒ずんでいる
②砂岩の太い柱が天高く伸びていて
③見上げると②の柱が尖塔のようにみえる

で、鉱石倶楽部は一階にあるのですが・・・

④舗道から店内を覗こうとしても窓が高い位置にあるため天井部分しか見えない


玉青様が仰っしゃる旧住友銀行神戸支店は一階角の窓の位置が高く、条件④にぴったり合致しますね。
http://hardcandy.exblog.jp/7536600/
また、6~7枚目の画像を見れば条件②のイメージにも合いそうです。

S.U様の仰っしゃる米子市の建物というのはこちらでしょうか?
http://hardcandy.exblog.jp/19545873/
一階の窓は低いですが、なんとなく塔っぽい感じ、外壁の黒ずみはいい感じですね。

上記②③の特徴はかなり限定的ですのでモデルとなる具体的な建物が実際にあるのかもしれませんね。

_ 玉青 ― 2013年08月20日 22時12分40秒

〇S.Uさま

>米子市

あ、本当ですね。S.Uさんの文章は、まるでこの建物を見て書いたかと思えるほどです(笑)。ちょっと周囲の景観が侘しいのと、建物自体も少々疲れ気味なので、そこにちょっと手を加えれば、あの作品世界が彷彿としてくる感じです。

〇蛍以下さま

鉱石倶楽部の外観特徴について、分かりやすく整理していただき、ありがとうございました。こうして見ると、私が思い付きであげた旧住銀神戸支店も、そう悪くない感じですね。もっとも、sunshine-worksさんのサイトには、銀行以外の建物も含め、まだまだ多くの近代建築が紹介されていますから、順々に見ていけば、もっと条件にピッタリくるものが見つかるかも…

_ S.U ― 2013年08月21日 07時43分44秒

 またも昔の記憶で恐縮ですが、地方都市のワンパターンな景色の中で、石造りの銀行の西洋風の重厚な玄関や可憐な窓飾りの意匠が、そこだけ異世界という感じに見えたのが今でも印象に残っています。

_ 玉青 ― 2013年08月22日 05時52分38秒

子供心に深い印象をとどめた「小さなハイカラ空間」ですね。
足穂における明石の赤松雑貨店のことを思い出しました。
http://mononoke.asablo.jp/blog/2011/09/04/6088067

_ S.U ― 2013年08月22日 07時23分00秒

>「小さなハイカラ空間」
 こんなことが印象に残るのが、な~んの特徴もない、由緒ある城下町と言われても何も有り難くない中小地方都市の唯一の効用かもしれません。

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