ガリレオ時計(1) ― 2014年07月27日 07時16分37秒
このブログに以前からお付き合いいだいている方はお気づきと思いますが、このブログの写真は大体いつも背景が一緒です。それは自室の中で写真を撮れるスペースが、ごくごく限られているからです。
たいていは机の隅っこか、それとも本棚の手前に椅子を持ち出して、そこでちょこちょこっと撮るぐらいで、画面が単調だなと毎回思いますが、これ以上工夫のしようもありません。まるで牢獄住まいのようだ…と感じることもあります。
★
さて、今日はいつも画面の端に写り込んでいながら、これまできちんと紹介されることがなかった、右上の品が主人公です。
こうして見ると、なかなか存在感がありますが、その正体は時計。
黒々とした鉄製ボディに、アストロラーベをかたどった銅製の文字盤が映えますが、この品はアンティークではありません。
文字盤の中心に注目。
ふつうに見たのでは分からないぐらい小さな文字で、
「Invented by Galileo Galilei in 1641 Redesigned by Tomy in 1977」
と書かれています。
おもちゃメーカーのトミー(現・タカラトミー)の製品というのが意外ですが、調べてみると、トミーは当時、からくりめいた機械式時計を「ギルドクロック」の名称でシリーズ化しており、これもその1つらしいです。(他にも、糸の先についたおもりが横っ飛びしてクルクル支柱に巻き付く、飛び振り子(flying pendulum)式のものとかありました。)
この品はジャンク品として買いましたが、ちょっといじったら動くようになって、嬉しかったです。
(この項つづく。次回は製品の細部とガリレオの話)
コメント
_ Sii Taa ― 2014年07月27日 10時27分17秒
_ 玉青 ― 2014年07月27日 17時36分49秒
ひゃーーーー!!!
貴重な情報をありがとうございます。SiiTaaさんは、いわばギルドクロックを作っていらしたギルド職人さんだったのですね!
ギルドクロックシリーズの裏の製造事情も分かって、まことに興味深いです。
トミーの沿革を見ると、ギルドクロックが製造されていたのは、2代目の富山長次郎氏が社長をつとめていた時期(1974~1986)と重なっており、新社長として、いろいろ試行錯誤する中で生まれた製品だったのかもしれませんね。
それにしても、こうしていろいろ教えていただく機会も多いので、ブログをやっていて、しみじみ良かったです。
貴重な情報をありがとうございます。SiiTaaさんは、いわばギルドクロックを作っていらしたギルド職人さんだったのですね!
ギルドクロックシリーズの裏の製造事情も分かって、まことに興味深いです。
トミーの沿革を見ると、ギルドクロックが製造されていたのは、2代目の富山長次郎氏が社長をつとめていた時期(1974~1986)と重なっており、新社長として、いろいろ試行錯誤する中で生まれた製品だったのかもしれませんね。
それにしても、こうしていろいろ教えていただく機会も多いので、ブログをやっていて、しみじみ良かったです。
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実はSii Taa の本業は金型製造でして
トミーは隣り町の会社で近隣の町工場が下請けでした
ギルドクロックシリーズがスタートの当初は微細な
歯車の製造技術がなく歯車専業メーカーに委託してたようですが
コストカットが目的でしょうか下町の町工場に依頼があって
孫受けの我社に図面が舞い込みました
インボリュート・ギアは既に手掛けてましたがサイクロイド・ギアは
未経験の分野で詳しい歯形図を要求すると以外にも単純な円弧の
形状でした
1980年に入ってましたからシリーズ後期でしょうか
既にNC機も導入してましたが大変な時間が掛かったように記憶してます
図面には「ギルドクロック」と書かれてましたがこれだったのですね
完成品を始めて見ました。