棚の奥から(3)…太陽の鳥2010年07月12日 18時40分16秒

「消費税の前にまずやるべきことがあるだろう!」
まことにもっともです。もっとも過ぎて議論にもなりません。
「で、やるべきことをやった後で、どうするつもりか」を語って初めて議論になるのだと思いますが、あんまりその辺が選挙戦では伝わらなかったですね。
意図的に口をつぐんでいたのだとすれば、不誠実な人たちだと思います。

  ★

さて、片付け道中記のつづき。
この旅路は、直線距離にしてわずか30センチぐらいの道のりですが、なかなか通うのは難儀です。ただ、たまに通ると思わずハッとすることもあります。


写真は6センチ角の台座に乗った小さな剥製。
種名がはっきりしませんが、アジアやアフリカに棲むタイヨウチョウ(スズメ目タイヨウチョウ科)の一種です。


頭と尾の碧瑠璃の金属光沢、小柄な体、スッと伸びた嘴。
南米に棲むハチドリとそっくりですが、実際タイヨウチョウには、「旧大陸のハチドリ」の異名があります。彼らもホバリングしながら花の蜜を吸うことがあり、科名のネクタリニーデー Nectariniidae は、花の蜜を神々の霊酒・ネクタルに喩えたものだとか。

日本語の「タイヨウチョウ(太陽鳥)」は英語の sunbird の直訳ですが、その鮮やかなカラーリングは、いかにも太陽の下を舞い飛ぶ熱帯の鳥という感じです。

極彩色の花、巨大な深緑の葉、その隙間からギラリと光る太陽。
小さな剥製を前に座れば、その瑠璃色の羽の向こうに、幻想の熱帯がどこまでも広がっています。

  ★

そろそろ梅雨明けも近いですね。

コメント

_ S.U ― 2010年07月13日 20時04分28秒

>消費税
 どちら向きにも物入りなのはよく理解されていますが、具体的な金額や税率をいきなり持ちかけるとしかめ面されるのも、どことも同じです。何かもっとうまい提示方法はないものですかね。

>30センチぐらいの道のりですが、なかなか通うのは難儀
 おぉ、まさにヴンダーカンマーはミクロコスモス。笑ってしまいました。私のところにも、持つに何の難儀もない大きさと重さですが、内容はどうにもぶちまけるしか手の施しようのない引き出しが二つほどあります。

_ 玉青 ― 2010年07月13日 21時38分49秒

こういう話題になると「朝三暮四」という言葉を連想します。これは為政者の基本戦略であり、その有効性が今回も立証されたようにも見えますが、国民は単純に小利に目がくらんだわけではなく、そこには言いようのない政治不信があるのではないでしょうか。

本当に「暮四」の約束が信用できるなら、そちらを択ぶ人も多いと思うのですが、まったく信用できないというのが、大方の気分でしょう。もう暮三だろうが、暮一だろうが、とりあえず目の前の朝四だけでも保証してくれる者を選ぶしかない、ということかもしれません。

しかし、今や暮一はおろか暮れには大きなマイナスが待っているかもしれず、それならばいっそ「朝一暮一」の方が良くはないか…とか、いろいろ考えたいわけで、それを誠実に、穏やかに語ってくれる人があらまほしいです。

  +

有限の中にも容易に無限は顔を出す―。
ぜひご専門を駆使して、引き出し世界を繰り込んでやって下さい。

_ S.U ― 2010年07月14日 06時24分55秒

>「朝三暮四」
意味はよく知りませんでしたが政治家が時折口にするそういう言葉がありましたね。結局、これは政治家が頻繁に口にする「信無くば立たず」に収束するわけですね。ひとのお金を扱うには信用第一、ごくごく当たり前のことが選挙の結論でしたか(タメ息)。

>引き出し世界を繰り込んで
 どうやらすでに一部が自然に繰り込まれてしまっているみたいで、通常の方法では還元できないようです。

_ 玉青 ― 2010年07月14日 20時35分49秒

「信無くば立たず」。この言葉の意味を、今こそ代議士各位にかみしめていただきたいですね。

_ 水青 ― 2010年07月24日 16時54分14秒

初めまして。ラガード研究所から辿り着きました。
まだチラリとしか拝見していないのですが「太陽の鳥」という言葉に反応してしまい、コメントさせていただいてます。
ご存知かもしれませんが「太陽鳥」はスワヒリ語で「chozi」と表し、「chozi」はまた「涙のしずく」という意味も持っているそうです。
わたしは特にスワヒリ語に詳しいわけではないのですが、太陽好きと雫好きからこの「chozi」に辿り着き、そしてこちらの「太陽の鳥」に出会うことができました。

本当にハチドリに似てますね。
綺麗な碧瑠璃色です。
特に上からのショットがこのコの魅力を引き立てているように感じます。
ステキなものを見せていただきありがとうございました。
またゆっくり来させていただきます。

_ 玉青 ― 2010年07月24日 20時35分38秒

水青さま、はじめまして。
コメントをお寄せいただき、ありがとうございます。

輝く太陽鳥と涙のしずく。
きらきらするところが共通するのでしょうか。
アフリカの人のこころの中に生まれた、美しいイメージの重なりですね。

イメージの重なりといえば、ラガード研究所さんといい、水青さんといい、こうしてネットを通じてお互いの趣味嗜好の共振がフッと生じ、人の縁がつながっていくというのも、とても興味深いことです。そしてまた嬉しいことです。

雑然としていますが、どうぞゆっくりとご覧ください。
そしてまたコメントなどお聞かせいただければ幸いです。

今後ともどうぞよろしくお願いします。

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