THE MOON …エルガーの月面図2011年07月22日 21時16分45秒

前回、思わせぶりに顔を出したのはこの本です。


エルガーが著した月面図の原典。

Thomas Gwyn Elger
 THE MOON:A Full Description and Map of its Principal Physical
  Features.
 George Philip and Son, London, 1895
 8vo, 173p.


以前、京都のラガード研究所さん(http://lagado.jp/)が我が家に来られたときに、このブックデザイン、特に背表紙を激賞され、改めて見直した思い出があります。

本書に挿入されている図は4枚。月の表側を4つに分割して表示しています。


この前の1957年版とは違って、淡彩が施されています。


ちなみに、この本とは別に、月面図だけを別刷りにしたものが、当時売り出されていたようで、その案内が載っていました。壁にかけるのに便利なよう、厚紙で裏打ちされた品(4シリング也)もあったらしく、これはぜひ欲しいな…と思いますが、まだ現物を見たことはありません。


月面図以外は、ご覧のように月の地形解説がびっしり。


右下にケプラー・クレーターの説明がちらっと出ています。
内容は、純粋にクレーターの物理的特徴に限られ、ケプラーその人の伝記事項や、このクレーターがケプラーと命名されたいきさつ等は一切省かれています。
この辺は非常にサバサバしていて、何となくイギリス的だと思いました。
(漠然としたイメージですが、この本がもしフランスで出ていたら、そういう人文的な事項が、むしろ前面に出たんじゃないでしょうか。)

コメント

_ 淡嶋 健仁 ― 2011年07月23日 02時01分21秒

う~ん、やっぱり背表紙がたまりません。
月の絵も画一的な色ではなく、ちゃんとクレーターとか表現されていて、陰影部分も楽しんで作っている様子。
まさに、THE MOON!
購買意欲が湧いてきました。

_ 玉青 ― 2011年07月23日 07時42分55秒

おお、観察が細かいですね!
ぜひお手元に1冊。

ところで話は違いますが、「THE MOON !」と聞いて、私の脳裏に閃いたのが、ジョージ秋山の「ザ・ムーン」。
この怪作、「オロカメン」、「糞虫」といったキャラクターの名は何となく耳に残っていましたが、ストーリーは全く忘れていました。今改めて下のレビューを拝見し、私も強烈に購買欲をそそられました。(すみません、本当に全然関係ない話ですね;)

http://mangabruce.blog107.fc2.com/blog-entry-53.html

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