リチャード・プロクター 『星たちと過ごす半時』2006年10月08日 19時25分24秒

今日はすばらしく澄んだ秋空でした。
ブログの方も爽やかなイメージで記事を書いてみます。

■Proctor, Richard
  HALF HOURS WITH THE STARS: A Plain and Easy Guide
  to the Knowledge of the Constellations.
  W.H.Allen & Co., London, 1884.
  p.22 + 12 maps (28 x 21 cm)

* * *

古星図というと、真っ先に美しい星座絵をイメージします。

しかし19世紀も半ばを過ぎると、学者はもちろん、一般の天文ファン層の内にも新しい図像表現、新しい星空のロマンを求める心が萌してきたように思います。

そうした19世紀の新感覚に合致した、ちょっと素敵な作品として、プロクターの星図集『星たちと過ごす半時』(1884)を挙げたいと思います。

紺色の空に白く浮かびあがる星座とミルキーウェイ。
山間の一軒家、教会、小高い丘、灯台、沖合いを静かに進む蒸気船。
周囲を取り囲む地上の景色も愛らしく、ちょうどダンキンの『真夜中の空』のジュニア版といった趣です。
http://mononoke.asablo.jp/blog/2006/01/23/223693
http://mononoke.asablo.jp/blog/2006/01/24/224089

プロクターは、前書きで「年若い入門者にも誤解のないよう、細心の注意を払った」と述べていますが、地平線上にこうした景物を書き入れたのも、そのための工夫の一つでした。

本書には、こうした月ごとの星図が12枚と解説が収録されています。