ランカスター天文台2007年04月05日 21時38分37秒


"Telescope in Lancaster Observatory" という説明書きが下の方に見えます。

廃絶した小天文台の歴史というのは調べにくいものの1つで、この天文台も、ネットではなかなかヒットしません。

そこで、1902年にスミソニアン研究所(米)が出した List of Observatories という小冊子に当ると、ランカスターという地名はイギリスにもアメリカにもあって、どちらにも天文台が存在したことが判ります。

この絵葉書は1900年代初頭にイギリスで作られたものなので、写真はおそらくイギリスのランカスター天文台の内部でしょう。

上の冊子によれば、アメリカの方はカレッジの中にあって、恒星の位置測定と教育用施設を兼ね、イギリスの方は純然たる教育施設だったと注記されていますので、この機材のスペック(口径15センチぐらいに見えます)から言っても、後者の方がよりふさわしく思えます。

質実剛健を旨とする、素朴な感じの望遠鏡。
完全にセピアに変色した画面が、時代を感じさせます。