『彗星の劇場』2007年06月05日 22時17分45秒

話がちょっと変わりますが、へヴェリウスの『彗星誌』が出たのとちょうど同じ時期、彗星に関してもう1冊の大作が出ています。

それが Bay Flamさんもコメントで挙げられた、『彗星の劇場(Theatrum Cometicum)』です。著者は、ポーランドのルビエニエツキ(Stanislai Lubienietski または Stanislaus de Lubienietz)で、書誌が今ひとつはっきりしませんが、1666年から68年にかけて出版されたようです。

出たのも同時なら、著者も同国人ということで、この2冊の本には、きっと相互に影響関係があったと思うのですが、ネットをざっと見た限りでは、その辺がどうもモヤモヤしています。ともあれ、へヴェリウスの本と並んで、ルビエニエツキの挿絵も、後世くり返し転写され、彗星のイメージ形成にあずかって大いに力がありました。

さてさて、こちらも古書価は今日現在、堂々の68,500ドル。むむむ、隔絶…。それでもやっぱり買う人はいるのでしょう。

ところで、この本からは、もっと別の、もっと身近なエピソードも連想します。それはまた明日。

(写真は『彗星の劇場』の1ページ。5月31日の記事で挙げた『天文不思議集』より。この絵は、彗星のタイプ分けではなくて、1つの彗星の見え方の変化を示したものです。)

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック