A. ギユマン 『彗星』 (4)2007年06月04日 23時15分50秒

プランクトンというか、原生動物のような、奇っ怪な彗星の姿。

彗星を描いた古画としては、至極ポピュラーなものらしく、このブログでも以前レイノルズの本を紹介した際に登場しました。(http://mononoke.asablo.jp/blog/2006/12/05/

オリジナルは、17世紀ポーランドの天文家、ヤン(ヨハネス)・ヘヴェリウスの『彗星誌(Cometographia)』(1668)に載った挿絵。

キャプションを見ると、形態に応じて各々ラテン語の名前がついています。左下は Cometae Cornutus bicuspidatus、中段右は Cometae Barbatus、右下のちぎれた尾は Cometae Monstriferus …等々。ラテン語が分からないのでサッパリですが、語感からすると、コルヌトゥスは「角」、バルバトゥスは「ひげ」、モンストリフェルスは「モンスター」と関係がありそうです。そういえば何となくそれらしい形。

分類学者のリンネが、二名法による学名を考案したのは、へヴェリウスよりも半世紀ばかり後のことですが、こうした「学名」で呼ぶと、彗星がいっそ生き物じみて感じられます。

ところで、今古書サイトを見たら、へヴェリウスの原著がちょうど売りに出ていました。お値段ざっと5万ドル。コメントのしようもありませんが、一つ確実に言えるのは、売っているということは、買う人もいるのでしょう。だからどうというわけでもありませんが。。。。