月のパズル ― 2009年07月20日 07時40分22秒
山本一清博士のことを書いていて、ふと気付いたのは、今年が博士の生誕120年、そして没後50年にあたることです。これはやっぱり何かに引かれたのかも…。
一部を除けば、博士は完全に「過去の人」だと思いますが、日本の天文趣味の立役者を、世界天文年の今、こうして文字に書き記すことの意味は、決して小さくないはず。
ありがたいことに、貴重な資料をお知らせいただいた方(S.Uさん)もいらっしゃいますので、博士のことはもうしばらく記事を続けます。
―とはいえ。今日・明日は時事ネタで、アポロと日食の話題です。
★
40年前の今日、人類が月に着陸。
もっとも、日本時間だと21日の出来事ですから、明日がちょうど40周年ですね。
ウィキペディアによれば、アポロ11号は21日の早朝に月に着陸、それから6時間半かけて船外に出る準備をして、正午前にアームストロング船長があの歴史的第一歩を記したそうです。
1969年の7月21日は月曜日でした。もっとも子供たちは夏休みだから、曜日は関係ないですね。私はまだ小学校に上がる前でしたが、その時の記憶はまったくありません。いや、何となく大人たちが騒いでいたような気もするのですが、その後くりかえし当時の映像がメディアに流れたせいで、生の体験と、疑似記憶との区別が付きません。空はカッと晴れていた印象がありますが、気象データベースによれば、当時住んでいた東京は一日中曇っていたそうなので、やっぱり記憶が飛んでいるようです。
★
写真はアポロ計画が進んでいた、1965年頃に売り出された月のパズル(月の直径は約29センチ)。
■MOON MAP PUZZLE
Selchow & Rigther Company (N.Y.)
地球儀メーカーのRand McNally社が出していた月面図を元に作られた製品です。それだけに表現がとてもリアル。中央部が黒くなっていますが、これは上弦の月と下弦の月の写真を組み合わせて元図が作られているせいです。今回写真を撮るために、初めて箱から出したのですが、やってみて、自分がいかに月の地形に疎いかを知りました。見ているようで、案外見ていないものです。
「いかにも60年代」のパッケージがいいですね。
この宇宙飛行士は、手に小型ロケットのようなものを持ち、くわっと目を見開いて、一心に月を目指しているのですが、でもこのままだと確実に命を落としますね。アストロノーツは、それぐらい勇敢で命知らずなんだ…と言いたいのでしょうか。
★
さて、アポロ40年。あれから月のパズルはどこまで解けたのでしょうか。
1つ解ければまた1つと、「新製品」も続々生まれているようで、なかなか人類は退屈する暇がないようで、大いに結構なことです。
一部を除けば、博士は完全に「過去の人」だと思いますが、日本の天文趣味の立役者を、世界天文年の今、こうして文字に書き記すことの意味は、決して小さくないはず。
ありがたいことに、貴重な資料をお知らせいただいた方(S.Uさん)もいらっしゃいますので、博士のことはもうしばらく記事を続けます。
―とはいえ。今日・明日は時事ネタで、アポロと日食の話題です。
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40年前の今日、人類が月に着陸。
もっとも、日本時間だと21日の出来事ですから、明日がちょうど40周年ですね。
ウィキペディアによれば、アポロ11号は21日の早朝に月に着陸、それから6時間半かけて船外に出る準備をして、正午前にアームストロング船長があの歴史的第一歩を記したそうです。
1969年の7月21日は月曜日でした。もっとも子供たちは夏休みだから、曜日は関係ないですね。私はまだ小学校に上がる前でしたが、その時の記憶はまったくありません。いや、何となく大人たちが騒いでいたような気もするのですが、その後くりかえし当時の映像がメディアに流れたせいで、生の体験と、疑似記憶との区別が付きません。空はカッと晴れていた印象がありますが、気象データベースによれば、当時住んでいた東京は一日中曇っていたそうなので、やっぱり記憶が飛んでいるようです。
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写真はアポロ計画が進んでいた、1965年頃に売り出された月のパズル(月の直径は約29センチ)。
■MOON MAP PUZZLE
Selchow & Rigther Company (N.Y.)
地球儀メーカーのRand McNally社が出していた月面図を元に作られた製品です。それだけに表現がとてもリアル。中央部が黒くなっていますが、これは上弦の月と下弦の月の写真を組み合わせて元図が作られているせいです。今回写真を撮るために、初めて箱から出したのですが、やってみて、自分がいかに月の地形に疎いかを知りました。見ているようで、案外見ていないものです。
「いかにも60年代」のパッケージがいいですね。
この宇宙飛行士は、手に小型ロケットのようなものを持ち、くわっと目を見開いて、一心に月を目指しているのですが、でもこのままだと確実に命を落としますね。アストロノーツは、それぐらい勇敢で命知らずなんだ…と言いたいのでしょうか。
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さて、アポロ40年。あれから月のパズルはどこまで解けたのでしょうか。
1つ解ければまた1つと、「新製品」も続々生まれているようで、なかなか人類は退屈する暇がないようで、大いに結構なことです。
コメント
_ S.U ― 2009年07月20日 09時47分51秒
_ 玉青 ― 2009年07月20日 19時48分34秒
ものすごく詳細な記憶ですね。
私はどうもうっかり者で、アポロ以後でも、その種の記憶があまりはっきり残っていません。強いて言えば、ずっと後のチャレンジャー号の事故のことはよく覚えています。あのときは下宿先から、ぶらぶら近所の酒屋に一升瓶を買いに行き、酒屋のテレビで事故のニュースを見たのでした。こちらも呆然としましたが、酒屋の主もだいぶ興奮していました。
>6cmの望遠鏡で家の前で月を見ていると、道を通る大人の誰もが「人が歩いとるのが見えるか」と冷やかしの声をかけてくれたものです。
きっとジョン・ハーシェルだったら見えたでしょうね(笑)。
+
ちなみに当日の天気は、「goo天気」(http://weather.goo.ne.jp/past/)というので、パパッと見たんですが、まあ「気象データベース」というほど大袈裟なものでもないですね。。。
私はどうもうっかり者で、アポロ以後でも、その種の記憶があまりはっきり残っていません。強いて言えば、ずっと後のチャレンジャー号の事故のことはよく覚えています。あのときは下宿先から、ぶらぶら近所の酒屋に一升瓶を買いに行き、酒屋のテレビで事故のニュースを見たのでした。こちらも呆然としましたが、酒屋の主もだいぶ興奮していました。
>6cmの望遠鏡で家の前で月を見ていると、道を通る大人の誰もが「人が歩いとるのが見えるか」と冷やかしの声をかけてくれたものです。
きっとジョン・ハーシェルだったら見えたでしょうね(笑)。
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ちなみに当日の天気は、「goo天気」(http://weather.goo.ne.jp/past/)というので、パパッと見たんですが、まあ「気象データベース」というほど大袈裟なものでもないですね。。。
_ S.U ― 2009年07月20日 22時08分56秒
>「goo天気」
ありがとうございます! 当日の京都府北部(舞鶴での観測)は、晴れで最高気温33.6度、プールに行っただけのことはあります。
>ものすごく詳細な記憶
小学高学年で天文好きになって1年以内に月着陸があった、という非常な幸運のためだと思います。
ところで、今考えると、科学者や天文宇宙愛好家は別として、一般の日本人の月に対する感情に対しては、アポロ月着陸はやはりネガティヴな影響が大きかったと私はみます。(それが悪である、とは申しませんが) 以前は「月を愛でる」という文化があったものが、月着陸を機にすっぱりと途切れたように思います。防犯灯の普及なども時を同じくしてありましたので、月着陸のせいだけとは言い切れませんが。
これについて少し考えることがありますので、また、どこかで文にまとめてみたいと思っております。
ありがとうございます! 当日の京都府北部(舞鶴での観測)は、晴れで最高気温33.6度、プールに行っただけのことはあります。
>ものすごく詳細な記憶
小学高学年で天文好きになって1年以内に月着陸があった、という非常な幸運のためだと思います。
ところで、今考えると、科学者や天文宇宙愛好家は別として、一般の日本人の月に対する感情に対しては、アポロ月着陸はやはりネガティヴな影響が大きかったと私はみます。(それが悪である、とは申しませんが) 以前は「月を愛でる」という文化があったものが、月着陸を機にすっぱりと途切れたように思います。防犯灯の普及なども時を同じくしてありましたので、月着陸のせいだけとは言い切れませんが。
これについて少し考えることがありますので、また、どこかで文にまとめてみたいと思っております。
_ 玉青 ― 2009年07月21日 05時51分43秒
「来てみればさほどでもなし富士の山」という言葉を思い出します(笑)。確かに「ありがたみ」は半減といったところでしょうか。
宇宙飛行士の誰かは、「我々がわざわざ月まで行って見つけたのは地球だった」と言ったそうですが(ソース失念)、ポスト・アポロの時代にあっては、是非「地球を愛でる」文化が育ってほしいですね。
私の目には、月は今でも十分美しく映りますが、今度は地球照を見つめながら、月は地球の鏡である…ということに思いを凝らしてみようと思います。
宇宙飛行士の誰かは、「我々がわざわざ月まで行って見つけたのは地球だった」と言ったそうですが(ソース失念)、ポスト・アポロの時代にあっては、是非「地球を愛でる」文化が育ってほしいですね。
私の目には、月は今でも十分美しく映りますが、今度は地球照を見つめながら、月は地球の鏡である…ということに思いを凝らしてみようと思います。
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前日18時から寝て当日午前2時に起き、月面周回~着陸~月面第一歩までずっとテレビを見ていましたが、プール利用の学校指定日だったので、月面活動時間中にやむなく家を出ました。
13時頃、プールへ行くバス停で、昼の月が東の空に昇っているのを見ました。(出来過ぎの記憶で怪しそうですが、天文ソフトで再現すると記憶通りのところに月が出ていたことになるので、幻想ではないはずです) 快晴ではなく、ところどころに雲があったと思います。
プールの後、立ち寄った商店で大見出しの夕刊を見て感激しました。その後のことは覚えていませんので、夜は早く寝たのでしょう。
その頃は、6cmの望遠鏡で家の前で月を見ていると、道を通る大人の誰もが「人が歩いとるのが見えるか」と冷やかしの声をかけてくれたものです。