骨の手前に目をやれば2010年08月26日 21時53分56秒

ついでですから、ウィーン観光よろしく別の場所も見ておきます。
上はウィーン自然史博物館の古絵葉書(1900年前後)。

鯨や海獣類の骨の迫力もさることながら、客よけの柵の装飾的なデザインがすごいですね。骨格の陳列台の不必要な段々と併せて、当時の造形感覚がよく分かります。

同博物館の公開は1889年だそうですから、まさに世紀末ウィーンの真っ只中。
この柵にもクリムトと同じ時代の空気が通っているようです。

こうして骨と柵を並べて見ると、自然のデザインと人工のデザインの対照が面白く感じられますが、しかし、この人工のデザインは自然の植物に範を取ったものであり、そしてヒト自身、自然がデザインした「作品」でもあるので、なんだか考えるとややこしい話です。