ジョバンニが見た世界…小さな望遠鏡(4)2013年01月14日 13時07分30秒

新成人の皆さん、どうもおめでとうございます。
今日は一日雨のようですが、ただでさえ騒がしい世の中、心を静めて、柔らかい雨の音に聞き入る成人式も、なかなか良いかもしれませんね。

   ★

さて、いじましく頑張った末に手に入れたグレゴリー式反射望遠鏡。


中央に斜立しているのがそれです。せっかの機会ですから、この際ちゃんと写真に撮ろうと思ったのですが、現状だと身体を捻って、やっと片手が届くだけなので、持ち上げることができません。手前にある雑多なものを片付ければいいのですが、非常に面倒くさいので断念しました。

その代り、PCの中を探したら、この望遠鏡を買ったときの広告ページが保存してあったので、そこに載っていた写真を貼っておきます。(したがって写っているのは、私の家ではなくて、売り手であるエジンバラの某氏宅です。)
 
 

種明かしをすれば、この望遠鏡は現代におけるレプリカです。
売り手によれば、作られたのは1970年代の由。ただし、私は何年か前に、これとよく似た品が、ドイツのどこかの博物館のオンラインショップで売られているのを見た記憶があります。(が、どこの博物館だったか、今思い出せません。)
 
 


値段は本物の10分の1でした。だから私でも買えたのですが、ご覧のように、作りは非常に精巧です。間近で見れば、現代の真鍮素材を、現代の工作機械で加工したものであることが、表面のテクスチャーから判別できますが、しかしこうして写真で見る分には、容易に本物と区別がつかないでしょう。
全体の長さは56センチ、鏡筒を水平にした時の高さは41センチ、口径は約80ミリ。
 

鏡筒にはCulpepperの刻印があります(Culpeperは異綴)。Edmund Culpepperには同名の父と子がいて、いずれもロンドンで光学製品の店を営んでいました。父は1700年代初頭から1730年代まで、息子の方は1750年代に活躍した人です。彼らは「カルペパー式顕微鏡」にその名を残していますが、望遠鏡作りの方はどうだったのか、寡聞にしてよくは知りません。しかし、おそらくはどこかにオリジナルのカルペパー望遠鏡があって、これはそれを写したものだと思います。

本物でないのは返す返すも残念ですが、演出用にはこれで十分です。
時計屋の店先に置く望遠鏡の候補は、これに決めましょう。

コメント

_ karasaiusagi ― 2015年12月16日 01時24分35秒

こんにちは。楽しく拝見しました
先日、古道具店で同じようなデザインの望遠鏡を見かけたので調べていたら、こちらに辿り着きました。
”Deutsches Museum”と銘があり”228/1500”とも刻まれていました
あれは
御土産用のレプリカなのでしょうけれど、昔の道具は美しいですね

_ 玉青 ― 2015年12月16日 07時06分18秒

Karasaiusagiさま、はじめまして。
お知らせありがとうございました!私が見たのも、きっとそれに違いありません。
(手元の品がどうなっているかを、改めて確認しようと思ったのですが、依然として手前のモノたちに阻まれて接近不能でした;年末の大掃除のときにでも是非…)
いやあ、それにしても謎って、いつかは解けるものですねえ(しみじみ)。

ご厚意に重ねて感謝するとともに、もし「望遠鏡きょうだい」となられましたら、常以上のご厚誼を今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。<(_ _)>

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