戦前の子供用望遠鏡2006年05月12日 04時14分51秒


昨日、画像として貼り付けた『少年天文読本』(1936)の巻末に、望遠鏡の値段表が載っています。

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「謎?謎?天体の神秘を探れ」


流線型望遠鏡
 C 天体用.................二・五〇円〔2円50銭〕
 A 天体地上用........三・五〇
 B 同..........................五・五〇

プリマ望遠鏡
 A 天体用..................五・五〇
 B 天体地上用........七・〇〇
 C 同...........................十二・〇〇
 D 同...........................九・〇〇

ライムス望遠鏡
 コロナ号....................九・五〇
 A型.............................一三・五〇
 B型.............................一九・五〇
 C型.............................二三・五〇
 D型.............................三〇・〇〇

五八粍〔ミリ〕高級屈折望遠鏡
 市価の半額..............七五・〇〇

ポラリス天体望遠鏡
 特価.............................六・〇〇


子供の科学代理部(いずれもカタログ進呈)

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「流線型望遠鏡」とはどんな形をしていたのか?そのスペックは?
詳細は皆目分かりませんが、値段を見る限り、前に見た(5月7日参照)舶来望遠鏡のような「定価300円」という世界ではなく、少なくともこの頃には子供向け商品のマーケットが十分成立していたことが分かります。

昭和11年当時、小学校の先生の初任給は依然50円前後。したがって今のお金で1万円代ぐらいから望遠鏡が買えたことになります。

本文中でも、「どの望遠鏡を買ふにしても、信用ある製作所又は販売店から購入しないといけない。ただ安いことばかり考えて買ふと、使用に堪えない粗悪品を握ることがある。」と注意が述べられています。どうも百年一日の感がありますが、1930年代をさらに遠く遡っても、同じような状況があったとは思えません。では、いつから?

この辺の事情はもう少し調べて見たいと思います。


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5月は出かける機会が多く、今日はこれから一寸中国に行ってきます。帰りは16日の予定。その間、このブログもお休みです。

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