クラム社版「太陽系の図」2006年07月05日 06時42分23秒

天文趣味を言うならクラシックな星図も欠かせません。

古星図というと、いっぽうには非常に高価な品もありますが、他方には安価な駄菓子っぽい品もあります。

19世紀後半~20世紀初頭は、帝国主義による列強割拠の時代だったせいか、大衆向けの地図帳が妙に流行った時代でもあります。そして当時の世界地図には、星図の類も含まれているのが常でした。「居ながらにして世界を一覧する」ことが地図帳の醍醐味とすれば、目が宇宙にまで向かうのは至極当然であり、今の地図帳にそれがないことの方が、むしろ奇妙だとも思えます。

現在、市場にはそうした古い地図帳からばらした星図が大量に流通しており、気軽に額装して楽しむ目的で購入されています。
 
掲出したのは、アメリカの老舗地図会社・クラム社が出した地図帳のバラ物で、“The Solar System”と題した1枚。紙面サイズは約 31 x 28 cm(写真は余白部分をトリミングしてあります)。1891年の出版。

George Franklin Cram (1842-1928)は、1880年代から一般向け地図帳の出版をはじめ、大衆の嗜好に適って大層売れたらしいのですが、それらの中にも当然星図類が含まれていました。