日時計展@パリ2013年12月13日 21時13分29秒

博物趣味の欠片をたどる旅は一服。
今いろいろ情報をたどって、パリ周辺をぐるぐるしているのですが、そのパリで来週から豪華な日時計展が始まると聞いたので、そのことを書いておきます。

懐中日時計と卓上日時計の名品展(Exceptional pocket and table sundials)

 会期 2013年12月17日(火)~2014年1月19日(日)
        (月曜、12月25日、1月1日は休廊)
       14:00~18:00
 会場 GALERIE DELALANDE(Louvre des Antiquaires Paris内)
               2, Place du Palais-Royal
 〇公式サイト http://www.delalande-antiques.com/exhibition-sundials-paris/

展示されるのはルネサンス期のものを含む、各時代の日時計の名品150個。大半が個人コレクターからの借用品だそうですから、今回は「展示即売会」ではなく、純粋な展覧会のようです。

(今回展示されるJohann Gottfried Zimmer作とされる日時計、18世紀)

上記ページのいちばん下に、一部の展示品の画像を紹介するリンクが張られていますが、いずれも実に豪華絢爛。西洋世界では、日時計が単なる実用の具たることを超えて、美麗な工芸品となったのは興味深い点です。

この点は日時計にとどまらず、四分儀やアストロラーベ、アーミラリーなど、初期の天文用具はおしなべてそうです。おそらく空を見上げる「観象」の営みを、配下の僚吏に任せっぱなしにするのでなく、王侯貴族自らも行うものと観念されていたことが、その根本の原因だろうと思います。(まあ実際に王侯貴族がそうしたとは限りませんが、少なくとも自らの周囲をそうした道具で飾り立て、それが己の威信を高めるものと考えていたのは確かでしょう。)

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パリまで行けない方には、全品写真入りの豪華図録も用意されています。

(図録表紙)

内容は英仏2カ国語表記で、お値段は日本までの送料込みで125ユーロ。
下のページに内容見本があるので併せてご覧ください。
http://www.delalande-antiques.com/exhibition-sundials-paris/book-sundials.html

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今年の冬至は12月22日。太陽の復活を祈る行事が世界各地で行われます。
北風の吹きすさぶ気ぜわしい時期ですが、太陽の光と温もりに敬意を表しつつ、のんびり日時計を眺めるのも悪くないですね。