世界最小の星座早見盤(中編)2012年12月05日 20時28分28秒

昨日の記事の末尾で、「あくまでも一個の『機械式早見盤』として、天文古玩的目線で書」くとか何とか、もっともらしいことを述べましたが、ここでは硬派なメカメカしい話題に踏み込むことなく、もっぱらその外面のみに集中して話を進めます(それこそが天文古玩的目線かも)。

   ★

さて、この「掌中の天体時計」、昨日のアストロアーツさんの商品紹介でも分かるように、ついこの間まで市場に流通していた、現役と言っていい製品です。
私もリアルタイムでそれを見ていたせいで、何だか何時でも買えるような気がして、結局買いそびれてしまいました。(というよりも、その頃はアストロデアの背景も知りませんでしたし、ひたすら古いものに目が向いていたので、あまり食指が動きませんでした。)

しかし、販売終了となった今では、アストロデアはなかなか入手困難です。そうなると、俄然欲が出るのが人情。ただ、出物が少ないし、たまに売りに出ても、プレミア価格が付いて、下手をすると10万円近くするので、ちょっと手を出しかねていました。


そんな中、最近やっと手にしたのが上の品。
なぜ私に買えたかといえば、もちろん安かったからで、それはこのアストロデアがコレクターズ・アイテムとはなり得ないモノだったからです。つまり、元箱も、取説も、盤面を見る専用ルーペも付属しない、本体のみの販売で、しかもこの黒の革バンドは、オリジナルのものではなくて、前の所有者の方が付け替えたもののようです。


しかし、私が興味を集中させているのは、この美麗な時計本体のみなので、上記のような瑕疵があっても、あまり痛痒を感じません。時計マニアでないおかげで、そういうことを全く気にしないで済むのが、門外漢の強みといえば強みです(変な強みですが)。

(闇に沈む極小の星空)

と同時に、これを腕時計として身に着けようという気もまったくないので、いっそのこと挟雑物を取り払い、本体のみをディスプレイしてはどうかと思い立ちました。いわばウォッチのクロック化です。(そういうわけで、いちばん上の写真はすでにバンドの金具が外されています。)

(この項つづく)

コメント

_ astray ― 2012年12月06日 02時57分42秒

> アストロデアはなかなか入手困難です

あれ、この写真は、昔私が持っていた、
最初に出たコスモサインに見えます。
-- きっと裏蓋に記述があるかと。

アストロデアとは、ケースの色と形状、大きさ、
最座版の内容が、かなり違います。
バンドも、黒の革がオリジナルです。

_ 玉青 ― 2012年12月06日 20時34分17秒

ぎょぎょ!さっそく裏ぶたを見てみましたが、何の刻印もありませんでした。

コスモサインシリーズとアストロデアシリーズのパッと見の違いは、星座境界線の有無だと聞いたような気がするのですが、astrayさんの愛機はどうだったでしょうか?

あと気になるケースの形状ですが、調べてみると手元の品は下のタイプにわりと似ています(しかし、最外周のカーブが微妙に違います。また秒針の形も違います。)
http://www.astrodea.com/tsukiseiza.html

本当は「ボーイズサイズ小型ステンレスモデル」の「新月齢タイプ」というのが、形・サイズともそっくりなのですが、このケースを用いた「新南天タイプ」が存在したのかどうか、ネット情報では今のところ確認できていません。
http://www.vixen-m.co.jp/select/astrodea/2000010_11.html

というわけで、現段階ではやっぱりアストロデアなのかな…と自分としては思っているのですが、年式等の詳細は不明です。何か耳より情報がありましたら、ぜひお教えください。

_ noboshemon ― 2012年12月06日 21時59分24秒

刻印に、CLUB LA MER と書いてませんか ?

星座版の一番の違いは、
中心の針の取り付け位置の周りに、
月齢を示す、小さな目盛りがあることです。
-- 使い方は...思い出せない ^_^;

アストロデアには、この目盛りがありません。

_ 玉青 ― 2012年12月06日 22時39分14秒

noboshemonさま

ご教示ありがとうございます。

>刻印

うーん、再度表も裏も、さらにバンドもしげしげと見たのですが、何もありませんでした。
まさかバッタ品ということもありますまいが…

「月盤」については、2008年以降に実装された気配がありますが、どんなものでしょうか。
http://www.citizen.co.jp/release/08/081105as.html

_ noboshemon ― 2012年12月07日 00時05分31秒

> 「月盤」については、2008年以降に実装

月盤ではなく、中心の針の取り付け位置です。
その周囲に小さく、10 とか 20 とか数字がありますよね。
これは、おそらくコスモサインにしかありません。

_ 玉青 ― 2012年12月07日 19時53分41秒

紛らわしい表現をしてしまい、申し訳ありません。
現在、アストロデアの取扱説明書が以下で閲覧できます。
(オリジナルは公開終了しているので、リンク先はグーグルが保存したものです。)
http://tinyurl.com/aqo9d83
年次は分からないのですが、「月新南天4P87」「月全天4P97」というタイプのものです。
その9ページ(サムネイルの11番)に関連記述がありますが、あの月齢数字の書かれた小さなパーツを、メーカーは「月盤」と呼んでいるようです。

_ noboshemon ― 2012年12月08日 03時05分03秒

> 月齢数字の書かれた小さなパーツを、
> メーカーは「月盤」と呼んでいるようです

ホントですねえ。。。
シチズンさんも、いろいろと混乱してるよーで。
そーなると、月盤を廃止したタイミングは、
アストロデアになってからで、2006 以前
ってことになりますかあ。
そして、2008 頃、でっかい月盤が復活すると。

_ 玉青 ― 2012年12月08日 09時06分42秒

開発者の試行錯誤の労がしのばれる話ですね。。。

_ じゃみろう ― 2020年07月14日 04時30分14秒

はじめまして。
コスモサイン好きで、御サイトに辿り着きました。
こちらはアストロデアの南天南緯35°モデルだと思います。
ただ、私の知り得るアストロデアのケース(ボディ)とは形状が少し違い、販売モデルであれば、裏蓋には必ずメーカーやモデル名、キャリバーと言う ムーブメントのナンバーなどが、刻印されている筈です。
もしかしますと、アストロデアプロトタイプの とてもレアな腕時計かも知れませんね。
または、私の様に、前の所有者さんが ケース(ボディ)を換装カスタムされたのかも知れません。
どちらにせよ、貴重なアストロデアかと思います。

_ 玉青 ― 2020年07月14日 21時59分29秒

じゃみろうさま、お知らせどうもありがとうございました。
元記事はもう8年も前になるのですね。それでもこうしてお立ち寄りいただく方がいらっしゃることを嬉しく、ありがたく思います。

ご説明を読んで、もう一度改めて裏蓋を見たのですが、やっぱりつるんとして、何も刻印がありません。うーん、何なんでしょうね。レアものといえば聞こえがいいですが、ちょっといかがわしい感じもあります。まあ、宇宙に謎はつきものですから、今しばらく謎は謎のまま楽しむことにします。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック