チェット・レイモ著 『夜の魂 - 天文学逍遙』(2)2006年04月03日 06時13分52秒


この本を崇拝するあまり、手に入れた原著。
著者献辞入りのユニーク・コピーであるというのが、ささやかな自慢であり、宝物たるゆえんなのです。

この本はいわば「ソロー主義」の末流に位置するので、「物に執してはいけない」という主張が背後にあるんでしょうが、こうした清玩の類は許されて大いに然るべきでしょう。

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 Eugene,

 "During their migrations one may clearly
  hear those sweet notes from birds traveling
  beyond the limits of human vision."

              Chet
              OCT 29, 1985

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献辞は、本文中にも引用されている鳥のガイドブックの一節。

「渡りの季節がくると、人間の眼にはとらえられないマキバシギの甘い旋律をはっきり聴き分けられるだろう」(邦訳88ページ)

マキバシギはここでは「神」の隠喩。
天体物理学者である著者は、青年のころ深くカトリック信仰に帰依しましたが、それを後に捨てました。しかし、今も「神的なるもの」と「啓示」が、著者の心のうちには一閃する瞬間があることを告げています。