天文趣味への回帰 & ギブソン著 『アマチュア望遠鏡愛好家の手引き』2007年12月30日 22時07分04秒


2007年も終わりに近づきました。

来年1月で、この「天文古玩」も満2歳になるわけですが、この辺で初心に立ち返り、今一度 “郷愁の天文趣味” に力を入れるべきではないか…と思案中です。

最近何かと理科室の話題が多くて、勿論それはそれで楽しいし、今後も取り上げるつもりですが、やはり何か一本筋が通っていた方が、全体が締まるような気がするのです。で、このブログにおける筋、バックボーンといえば、「天文趣味」以外にはありません。

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そんなことを思いながら、今日は本棚から上のような本を抜き出して、今もパラパラ読んでいます。

◆Frank M. Gibson,
 THE AMATEUR TELESCOPIST’S HANDBOOK
 Longmans, London, 1894
 13 x 19cm, p.163

題名からも分かるように、19世紀末の天体観測入門書です。

19世紀の天体観測入門書といえば、まずウィリアム・スミス提督の 『天体の回転 Cycle of Celestial Objects』 (1844)、そしてトーマス・ウェッブ師の 『普通の望遠鏡向きの天体 Celestial Objects for Common Telescopes』 (1859) に指を屈しますが、この本は前記ニ著よりも、さらに資力の乏しい読者層を狙ったものです。(このことは序文に明記されています。)

念頭に置いているのは、経緯儀式の口径5~8センチの望遠鏡や、あるいは更に安価なスパイグラスで、そうした機材でも観測可能な対象について解説を加えています。若い学生を含む、収入の限られた階層にも天文熱が広がりを見せた時代ならではの本。

読み進むうちに、興味深い記述があったら、またポツポツ抜き書きしてみようと思います。