しょうがくせいのりか(お月見)2007年07月24日 22時02分36秒

出てくる子どもは、あまり戦前と変わらず…と書きましたが、教科書そのものは戦前とは全く様変わり。オールカラーの絵本仕立てで、どこを開いても美しく愛らしい光景が展開します。当時のお父さんお母さんは、自分たちの子ども時代と引き比べて「今の子どもは恵まれてるなあ」と感慨にふけったことでしょう。

本当に全点ここに掲載したいほど可愛い絵ばかりなのですが、このように「子どもらしさ」を過度に強調しているところが、むしろ時代の特徴かもしれません。

ここでは天文に関連した単元を取り上げます。巻末の「指導の手引き」によると、1年生で学ぶ天文現象は2つあって、最初がこの「どんな形の月が見えるでしょう」で、2番目は「お日さまはどこから出てどこに入るでしょう」です。前者は10月、後者は3月に学びます。

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涼やかな情景ですね。肩上げした浴衣を着て、お父さんと縁側で楽しげに語らったり、庭で影踏みに興じたり。郊外のさりげない生垣の風情もいいですし、三日月に浮かぶビル群のシルエットには、怪人二十一面相の不敵な笑みを感じます。

考えて見ると、今の子どもたちは「満月で影ができる」ことを知らないかもしれませんね。私自身も忘れかけていました。嗚呼…。