アインシュタイン塔(1)2007年07月04日 05時59分40秒

東京天文台の続きです。

以下、リーフレットから抜粋。

「太陽分光写真儀室(アインシュタイン塔)は〔…〕、1930年(昭和5年)に完成しました。鉄筋コンクリート造りで、屋上にドームが設置された高さ18.6mの地上5階、地下1階建てです。

建物の外観はほとんどが直線で構成されていますが、入口のひさしや屋上のバルコニーには曲線が採り入れられ、外壁は茶色のスクラッチタイル〔…〕で装飾されています。

鉄筋コンクリート造りのスクラッチタイル装飾という建築様式は、フランク・ロイド・ライト設計の帝国ホテルから始まり、昭和初期に流行したといわれています。

〔…〕太陽分光写真儀室はアインシュタイン塔とも呼ばれています。その由来は、ドイツのポツダム天文台にある「アインシュタイン塔」にあります。このドイツの建物は、物理学者アルバート・アインシュタインがうち立てた一般相対性理論を太陽光の観測から検証する目的で建てられました。三鷹の建物もドイツのアインシュタイン塔と同じ構造と機能を持っているため、この名称が愛称となりました。」

20世紀の科学の夢を見ながら、森の中にまどろむ塔。なかなか絵になる建物です。

なお、ドイツのアインシュタイン塔は↓に既出。
http://mononoke.asablo.jp/blog/2007/04/08/1379783

アインシュタイン塔(2)2007年07月04日 06時01分24秒


すっかり錆び朽ちた入口周り。

崩れ落ちたタイル、苔むした階段、静かな廃墟美。。。

科学の亡骸(なきがら)2007年07月04日 06時02分50秒


今回のおみやげは、ずばり 「アインシュタイン塔」 です。

崩落した外壁タイル(6.3x11cm)と、配電用の碍子(ガイシ)。
落ち葉に埋もれていたのを、そっと拾いました。
(盗掘っぽいですが、ここは同天文台のT先生の寛大なお言葉に甘えます。)

当時最先端の科学を担った巨人の聖遺物。白い碍子は、まさに遺骨を思わせます。

碍子は「1955」の年号が入っているので、創建当時のものではありませんが、塔がまだ現役で観測を続けていた頃の物。その後1968年に、太陽観測の機能は岡山の天体物理観測所に移り、塔はその役目を終えました。

(背景は 『東京大学 東京天文台の百年 1878-1978』、東大出版会、1978)