京都博物行(1)…ウサギノネドコにて2015年07月11日 14時20分24秒

この前の日曜日に京都に行ったことを、ちらりと書きました。
祇園祭の準備が進む京の町に、博物趣味がかすかに香ったことをメモ書きしておきます。

   ★

京都駅から見ると北西の方角、二条城の西、御池通沿いに、「ウサギノネドコ」という不思議な名前を染め抜いた暖簾が出ています。ウサギノネドコとは、匍匐性のシダの一種、ヒカゲノカズラの異称だそうで、そのフワフワした感触が、いかにも「兎の寝床」のようだ…という見立ての由。

ウサギノネドコさんは、古い町屋を改装した宿屋で、ウサギならぬ人間の寝床でもあるのですが、同時に博物系の雑貨を扱う店舗でもあります。ただし、その切り口は「生物学的関心」よりも、「自然の造形の妙を愛でる」方向にあるので、理科趣味のお店というよりは、デザイン・アート系ショップといった方が伝わりやすいかもしれません。

お店の概要については、私がくだくだしく述べるよりも、公式サイトをご覧いただければと思います。

■ウサギノネドコ http://usaginonedoko.net/
  京都市中京区西ノ京南原町37
  TEL:075-366-8933
  店舗営業時間 12:00~18:00(火、木定休)

あるいは、紹介写真も豊富な下のページをご覧いただければ、お店の雰囲気がより詳しく分かることでしょう。

■名店手帖vol.15 「ウサギノネドコ」
 http://art-and-more.jp/2015/03/usaginonedoko.html

   ★

見るそばから目を驚かせる博物系の品。
見れば触りたくなるし、触れば連れて帰りたくなるのが人情です。
実際には、連れて帰っても、それをディスプレイする空間は最早ありませんが、それでもその誘惑は抗いがたいものがあって、結局今回は白い箱黒い箱を小脇に抱えて、お店を後にしました。


この箱の中身がそれぞれ何で、そこに何を感じたかは次回に。

(この項つづく)

コメント

_ S.U ― 2015年07月12日 06時52分54秒

ウサギノネドコとは、かわいいネーミングですね。
でも、私は、この名前は、「うなぎの寝床」のもじりかと思っていました。
京都には、通りと町屋の敷地の関係か、うなぎの寝床様の店やアパートが多いことが有名ですよね。
 あっ、こちらは、お宿もやっていらっしゃるのですね。どうも、失礼にあたることを書いたかもしれないので、お店にはお詫び申し上げます。

 うーん。植物名のほうも気になります。ヒカゲノカズラなんですね。日本料理の盛りつけ装飾にも使われるので、こちらも京都の人が料理屋で一杯やりながら、うなぎの寝床のもじりで命名したのかも(←我ながらかなりしつこい)。

_ 玉青 ― 2015年07月12日 11時16分07秒

(笑)どうぞご安心を。
お店のサイトには「京町家は入り口が狭く、奥に長い事から『ウナギノネドコ(鰻の寝床)』ともいわれていまして、その名前ともひっかけております」と明記されております。(^J^)

_ S.U ― 2015年07月12日 16時16分31秒

>(笑)どうぞご安心を。
 安心いたしました。(笑)

 「ここの料理人は盛り付けいつもきれいにしてるな。ウナギノネドコを具合ようにあしろうて」
 「社長、それもゆうなら、ウサギノネドコですがな」
 「ほやった、ほやった、ウサギノネドコや。ウナギノネドコはうちの事務所や」
というような会話が交わされているのでしょうね。

 それにしてもオカヒジキとかヤマクラゲとかウサギノネドコとなんでそないに異名ばっかし付けはるんでしょう?

_ 玉青 ― 2015年07月13日 06時14分17秒

(笑)(笑)たしかに、人は異名が好きですね。
風雅な言い換えにまじって、陸のキャビアとか、下町のナポレオンとか、一六銀行とか、庶民に優しい異名も結構ありますが、言わばそれも風雅の一形態なのでしょう。心に余裕がないところに、こういう異名は生まれないですよね。

(あ、そういえば、よく見たら「ヒゲノカズラ」ではなくて「ヒカゲノカズラ」でしたね。本文を直しておきました。)

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